[ブエノスアイレス/ロンドン 9日 ロイター] - アルゼンチンの債務再編交渉は今月、最初の正念場を迎える。2021年満期のブエノスアイレス州債に、金利や分割償還として2億7700万ドルの支払いが発生するためだ。同債を巡る協議は、フェルナンデス新政権が債権者をどう扱うかを探る手掛かりになるとみられている。

この支払い期限は26日。ブエノスアイレス州のキシロフ知事は昨年12月、返済義務を完全に履行できる状況ではなくなったとして、債券保有者に「一時的な支払い免除」のための話し合いを要請した。

昨年に債務危機に陥り、景気後退局面も続いているアルゼンチンは、総額で1000億ドルを超える債務の再編交渉に乗り出しつつある。対象には国際通貨基金(IMF)からの多額の融資も含まれる。

一方で大統領が保守派のマウリシオ・マクリ氏から中道左派のアルベルト・フェルナンデス氏に交代し、一部の投資家の不安を誘った。過去にはアルゼンチンの債務再編が投資家に深刻な痛手をもたらしたこともある。ただフェルナンデス氏とグスマン経済相は懸念払しょくに動いたため、債券価格は値上がりしている。

事情に詳しいあるファンドマネジャーは、ブエノスアイレス州債、他の州債、ソブリン債の区分で3つの債権者委員会が既に形成されたと説明。ブエノスアイレス州債の協議が最優先で事態がどうなるかの試金石になるとした上で、現在は友好的かつ建設的に話し合われており、今後数カ月中に再編案がまとまる可能性があるとの見方を示した。

同マネジャーによると、ブエノスアイレス州債は、他の全ての州債の合計よりも規模が大きいため協議の行方は関心を集めているという。