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一般的に中東問題は、安全保障、原油価格、難民問題などの切り口で語られることが多いのですが、実は2019年の世界経済を最も大きく下押ししたのはイランでした。2020年の世界景気という観点からも、米国の経済制裁は注視すべきだと思います。
イランに対する経済制裁は、これまでトランプ大統領自身が「最大限の経済制裁」と表現してきた通り、すでにやれることはほぼ全てやっている、といえます。これ以上に追加の制裁をやる余地はあまりなく、やるとしたら、
・食料や医薬品といった、人道的見地から除外されている分野も制裁対象とする
・ロシアや中国のように、制裁にもかかわらず、抜け道的な手段でイランと貿易を続けている国の企業に制裁を加える
(この場合は、これらの国の反発を招きます)
・隣国のイラクはイランとの貿易を見逃されていますが、イラクとイランの間の貿易を阻止する
(この場合、イラン以上にイラクの経済が本当に壊滅します。国土の過半数で電気なども使えないような状態になります。)
といったオプションくらいしか、実効的な措置はありません。それ以外は、象徴的な措置しかとれないでしょう。
イランとイラクの対立はかなり根深いので
事象を整理するのが大変です

シーア派スンニ派の宗派対立に
フセイン時代のイランイラク戦争や湾岸戦争
先日暗殺されたソレイマニ司令官を中心とした革命防衛隊?のイラクでの破壊工作(極めて非人道的な、、、)

もはやアメリカはイラクの後見人みたいな立場になってしまっていますが、この米国と中東の流れを見ると戦前の満洲帝国における関東軍、日本陸軍が大陸の複雑な対立に巻き込まれて泥沼化していくのを、いつも思い出します。
すでにかなり広範な制裁なので、強化しようとしても効果はあまりないかもしれません。ただ象徴的な意味(イランに対する心理的な嫌がらせ)は大きいかと思います。