1人当たりGDP・生産性の低さ、消費低迷の要因=三村日商会頭
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「日本経済は1人当たり国内総生産(GDP)や労働生産性の低さに着目すべきと述べ(中略)その上で、潜在成長率改善が急務と訴えた」・・・
政府と中央銀行が経済を成長させる手段は基本的に3つで、財政支出の拡大と金融緩和は需要サイドの政策、成長戦略(構造改革)は供給サイドの政策です。需要サイドの政策は、供給力(特に労働力)に比して需要が不足している時、政府が財政支出などで不足を埋めて経済を成長させるのが眼目で、潜在成長力を高める労働力、資本設備、技術力といった生産要素に働きかける政策ではありません。後者は生産要素そのものの成長力を如何に高めるかというのが眼目です。
「生産性、潜在成長率の底上げを粘り強く追及するのが不可欠」とあるので、三村会頭は後者を強く意識していらっしゃるのでしょう、たぶん。需要不足でデフレが起きているなかで供給力を増やしても仕方がない、という反論が聞こえて来そうな気がしますが、供給サイドの政策が意味するのはそういうことではありません。ビジネス環境の競争力を改善して日本をベースに活動する企業の国際競争力を高め、世界に通用するモノやサービスを日本で産んで世界に広めようというのが基本です。
GDPは自国で人々が働いて生み出すモノやサービスの価値。労働生産性を高め、企業の競争力を増し、一人当たりのGDPを増やして行く。その努力をせず、生産要素を固定したままいくら景気対策で需要を作っても、国民は豊かになれません。自国で活動する企業の生産性が低い中で政府が需要を沢山作っても、うっかりすると、外国の企業と労働者が外国で生み出したモノやサービスが国内で売れるばかりで、日本のGDPは一向に増えないという結果に終わります。潜在成長力を高めることの重要性を、冷静に見つめ直してみる必要があるんじゃないのかな・・・ (^^)違いますね。
そもそも経済が正常化していないなかで、サプライサイドすなわち潜在成長率を高めてしまうと、デフレギャップが拡大し、ますます正常化が遠のいてしまいます。
まずは、流動性のわなから脱出して、経済を正常化させることが先でしょう。いかに無駄なく働くかという「効率性指標」の響きがある「労働生産性」という言葉を使うからややこしくなる。
労働生産性とは端的にはGDP/人、つまり「1人当たり国民所得」なわけですから、これって「国民の所得が少ないから消費も増えない」という当たり前のことを言ってるだけです。
当たり前すぎて、何も言ってないに等しいくらい当たり前の話。