[東京 7日 ロイター] - 西村康稔経済再生担当相は7日の閣議後会見で、米国とイランの緊張を受けた円高や原油高の影響を十分注視すると述べた。また、同日から11日までの日程で中国の北京と重慶を訪問すると発表した。世界経済の下振れリスクや中国経済、マクロ経済政策について議論するとともに、中国の先進的なIT(情報技術)企業を視察するという。

西村担当相は、米国とイランの緊張が高まったことを受「金融資本市場の変動が生じたことは承知している」とコメント。「きょうは少し落ち着いた動きになっているが、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映しない急激な変動、あるいは過度な投機的な動きは好ましくない」と述べた。その上で「円高の進行、原油価格の高騰は日本経済への悪影響を及ぼすことも考えられるので、十分注視したい」と強調した。

原油については「234日分の備蓄があり、緊急時には必要な対応を取る」と述べた。

<中国訪問、デジタル産業・成長戦略参考に>

中国訪問にあたっては、北京でマクロ政策を担当する国家発展改革委員会の幹部、重慶市では同市幹部と面会する予定。「世界経済の減速傾向、下方リスクや、中国経済の見通し、今後の経済政策の在り方について意見交換したい」という。また「中国のデジタル産業における先進的な取り組みについても、しっかりと自分の目で見て日本の成長戦略、骨太方針策定への参考にしたい」と述べた。

中国が普及を目指すデジタル人民元に関連しては、現時点で世界の基軸通貨が米ドルであることは変わらないとの見解を示しつつ、今後の動向を注視するとした。デジタル通貨を巡ってはマネーロンダリングなどの問題が指摘されているが、技術進歩が経済に与える影響については注視することが重要と指摘した。

<カジノ管理委員会、国民から信頼されるよう議論を>

IR参入を巡る贈収賄疑惑に関しては「指摘された議員がそれぞれしっかり説責任を果たすべき」、「しっかりと司法の場を通じて明らかにしていくべき」とコメントした。7日に発足するカジノ管理委員会では「国民が信頼できるような、作ってよかったと言ってもらえるものになるよう、議論してもらいたい」と述べた。

(竹本能文 編集:高木匠、田中志保)