キャッシュレス 勝敗鮮明に 銀行・異業種の競争激化
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注目のコメント
銀行系キャッシュレス決済の競争環境がよくまとまっていると思います。
なお、今後優勝劣敗が明らかになる要因として挙げている、政府の「マイナポイント」は、今のところ最大2万円に対して5000円まで、しかも、21年3月までの時限措置(延長の可能性もあるでしょうが)となると、案外動きはそこまで大きくないかもしれません。
むしろ、後段にある新しい銀行認可を巡る議論(”新仲介業”と呼ばれる)は、銀行のさらなる競争に大きな変化をもたらしうる動きとして注目しています。まだまだ「これから」じゃないですかね。
STOはじめ5G/IoT化踏まえると、ステーブルコインの具現化と、超小口&大量高速処理且つ超廉価な決済基盤が要るのは自明。
今年は従来の様なコンシューマー向けキャッシュレス決済より、B2B法人向け決済サービスに注目してます(大企業間の業種超えた提携が増えると思いますし、誰かが総取りと言った時代じゃないとも思います)。キャッシュレスの本当の勝敗が分かるのは、今でもなく、消費者還元事業が終わった時でもなく、過剰なQR決済のプロモーション(ポイント20%や加盟店手数料0%など)が一段落つき、チキンレースが終わる3年後くらいでしょう。
マイナポイントも25%が永遠に還元される訳ではないので、プレミアム商品券と同じ一時的な効果で終わり、主流にはならないでしょう。
銀行のコイン事業は取組んでも、もしこれがうまく行くなら、それよりも自行のデビットカードやJデビットがうまく行っていたはずです。
コイン事業は銀行の口座直結のプリペイドなのですから、わざわざプリペイドを経由しない方が楽なはずです。
また、銀行の決済ネットワーク事業は系列のカード会社に利用されることを皮切りに、決済ネットワーク手数料の価格破壊を促すことになるため良いと思います。
現在の最有力の決済ネットワークはNTTデータのCAFISですが、これが加盟店手数料が下がらない大きな要因の一つであり、多数のカード会社はこれに不満を持っているため、この決済ネットワーク手数料を下げる取組は加速するものと思われます。
しかし、決済ネットワークは、「店-カード会社/決済代行間」と「カード会社-カード会社間」で使われますが、浸透が早いのは後者で、前者の既契約がある店の繋ぎ変えには苦労するでしょう。
LINEと金融機関の取組はいずれも一定のシェアを取るだけに終わるでしょう。
まず銀行については、いずれのネット銀行も大した成功は収めていません。開業し20年ほど経ちますが、最大手のネット銀行でも地方銀行の中堅並がせいぜいです。
この理由は、日本人の根底に、
「リアル店舗がある方が信頼できるので、お金はリアル店舗がある銀行に預けたい」
と思うからでしょう。
証券の取組の方がまだ脈はあると思いますが難しいでしょう。証券は手数料が安く、素早い売買が行えることに魅力を感じる傾向にありますが、その一方、既にネット証券が築いている牙城を崩すのは楽ではありません。
STOについては、これまで資金調達に恵まれなかった非上場企業や非営利団体などの資金調達や、テーマ投資などの分野で拡大すると思われますが、規制の問題で、まだできなさそうな状況なので、今後に期待となるでしょう。