2020年のPre/Post-IPOスタートアップシーンを展望する
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2020年のスタートアップの展望を考えると、以下のような点が挙げられるのではないかと思います。
・Pre-IPOでは資金の大型調達が継続し、そのトレンドがミドルステージにも波及する。未上場への投資需要を勘案するに、数十億円単位の資金調達はより増える。
・宇宙、素材、ロボティクスといったDeep Tech系の上場が増える。こうした各社はIT系と比して多額の先行投資を必要とすること、技術に対する期待が先行することもあり、未上場段階で高い評価を受けている一方で、SaaSのように事業価値を評価する上でのフォーマットが確立されておらず、受け皿となる上場株投資家の反応が注目される。
・Post-IPOでは、2017~2019年にかけて大型上場を果たしたスタートアップ、あるいは上場後に時価総額1000億円クラスまで成長した各社の事業進捗が注視される1年になる。大型Post-IPOスタートアップ各社のパフォーマンス次第では、Pre-IPOのバリュエーションにも調整がかかる局面が想定される。
加えて、Pre-IPOでは既に資金調達の大型化に伴ってバリュエーションが引き上がった会社の選別が進むだろうと見ています。既にこうした傾向は如実に表れていますが、それがより可視化されることになるのでしょう。
投資需要は増す一方で、バリュエーション面においては選別が進むという、ある意味で逆行する事態が同時に起きるのではないでしょうか。
その意味で、2020年は過渡期になる1年になりそう。
とはいえ、これらは現在の景況が大きく変わらない前提の下での見解です。
マクロ環境の変化は、スタートアップの活動にも甚大な影響を及ぼしますが、マクロの予想は私の手に余ります。個人的にはここ数年のPost-IPO銘柄の事業進捗次第で、Pre-IPOマーケットは大きく変わるだろう。
高止まりしているバリュエーションが崩れる可能性が大いにあるし、そうしないと潰れる会社も出てくるはず。
またそれに伴い本来であれば、Pre-IPOでも経営者の交代という事象が起きてくると、それはそれで健全化に向かうと考えています。
つまり僕個人としては、今のIPOを取り巻く環境は健全ではないと考えているということです。
景気がどうなるかについては、オリンピック後に急激な変化はないと思います。
これはインバウンド含めたオリンピック効果が大きいであろうと予測するからです。
ただし政権の不安定材料もあり、そんなに長続きせず、来年度の後半からは段々と怪しくなるのではないかと思います。
そんな時期にベンチャー経営者は何をすべきかというと、営業CFを黒字にできる戦略を持つということになります。
DeepTech系に関しては、それは難しいので、自分たちの設定しているマイルストーンを着実に乗り越えること、場合によっては他社との統合も視野に入れる柔軟性を持つこと、がとても重要になるでしょう。
結局はどんな形でも、起業した意思が残ることが重要だということです。まず生き残ることを考えよう。2020年スタートアップシーンにおけるトピック
「ミドル・アーリーステージスタートアップのラウンド大型化」
「ディープテック系スタートアップのIPO」
「Pre/Post-IPOスタートアップのバリュエーション連動」
一方で今年は東京オリンピック後、
景気が大きく変わっていく可能性もあると思っている。
そうなったときに、世の中のスタートアップがどう動いていくのか見所。