[ロンドン 2日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが2日発表した2019年12月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)は生産を示す指数が45.6と、11月の49.1から低下し、12年7月以来の低水準をつけた。

統計は50を下回ると景気の悪化を示す。

生産と雇用、新規受注を含む製造業の総合PMIは47.5と、11月の48.9から低下した。速報値の47.4からはやや上方改定されたが、4カ月ぶりの低水準だ。

IHSマークイットのエコノミスト、ロブ・ドブソン氏は「需要が軟調で景況感が低迷したままである中、購入が大幅に抑制されたほか、雇用は9カ月連続で低下した」と指摘する。

先月発表された第3・四半期の英国内総生産(GDP)は前年比1.1%増へ鈍化し、10年以来の弱い伸びだった。工業生産は前年比1.3%減だった。

PMI統計は時おり、景気の悪化を過大に映し出してきた。支出が増えている公共部門は含まれていない。労働市場も比較的底堅さを保っており、失業率は44年ぶりの低水準だ。

今回の統計は調査期間は19年12月5ー18日と、12日に行われた総選挙をまたいだ。選挙ではジョンソン首相が大勝し、英国の欧州連合(EU)離脱をジョンソン氏の方針で進められることとなった。

19年は英国のEU離脱を巡る先行き不透明感から設備投資が抑制された。また合意なきEU離脱の可能性から生産は乱高下した。離脱期日が延期される中、企業は原材料の在庫の積み増しと縮小を繰り返した。

英国は現在、1月31日にEUを離脱する見込みだ。新たな関税を避けるための移行期間は20年末まで。ジョンソン氏がEUと長期的な通商協定を交渉する期間は短い。

PMIの新規受注指数は8カ月連続で50を下回り、7年超ぶりの低水準に迫った。

IHSマークイットは、投資需要は12月も弱かったが、消費財の需要は国内外で改善したと述べた。ドブソン氏は「これに基づくと20年代の英製造業と、より広範な経済は10年代の初めと同じように幕を開く。個人消費に頼り過ぎて、投資レベルで安定した改善がみられるにはまだ時間がかかる」と指摘した。