ウイスキー、投資対象に 希少品価格、日本産も高騰
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過去10年くらい、知り合いのバーテンダーさんとの会話で「これ買っておくと、間違いなく値上がりするね」といった話が出ることが多く、その対象は何れも大いに値上がりした。もっとも、話題にならなかったものも多数結果的に高くなったので、品薄と需要の急増による全般的な価格高騰が起きたと捉えるのが正解でしょう。
投機対象としてのウィスキーには、蒸留からボトリングまで標準的には12年くらい掛かるので(短いものは数年、高級品はもっと長く、モルトのタイプによって適正熟成年数は異なる…)、供給量が短期的に増加しにくいという性質があります。「モルトは、急に増やせない!」。
この点を考えると、頭に血が上る投機好きがいそうですが、既に、長熟物やレアなシングルモルトは、味に見合わない値段になっているので(疑う人は、飲んでみなさい!)、投機対象としての段階は「終盤に近い後半」に入っていると思われます。「コレ、本当に飲んだことある? この値段は馬鹿馬鹿しいよね」と言う飲み手(=最終需要者たるべき人々)がじわじわ増えつつある。
もっとも、ウィスキーはワインよりも扱いが容易でコレクションしやすい。大事なのは、瓶を寝かせて置かないことと(コルクが溶けて不味くなります)、暑い場所に置かないこと(揮発するリスクが増大するから)くらいでしょうか。
遊びでやるなら、ウィスキー投機は手軽かも知れません。しかし、今さら大規模に始めたり、まして自分がウィスキーを分からないのに、他人がやるウィスキー・ファンドのようなものに投資するのは、全くお勧めしない。タイミング的にセンスのない投機ですし、金融の世界では典型的なカモの行動です。
(1)ウィスキーは飲むために買う、
(2)無駄に高いウィスキーは買わない(ジャパニーズ物の一部や25年を超える長熟のモルトは割高が多い)、
(3)買ったらコレクションなどせずにどんどん飲む、
というポリシーをお勧めします。
尚、私は、60年物のマッカランを少しだけ飲んだことがありますが、ウィスキーの体を為していましたが、「旨い!」というものではなく、コレクター向けの「瓶詰めされた液体」でした。高値が付く超レア物の一部はこれに近いのではないかと推測されます。
開けると価値が落ちて、開けて飲んでも旨くない、というようなものを抱え込んでも楽しくないと個人的には思います。希少だから美味しいとは、限らない。
マッカランに行った時、シングルモルトなのに
ブレンダーがいて、彼がマッカランの味を守っている
と説明された。
樽は置かれた環境や、樽の状態により、同じ様に
寝かしても、色も香りも、素人でもびっくりするぐらい
の差があるのを、マッカランのブレンダーは見せて
くれた。
とても若い彼は、天才で30種類の樽をブレンドして
同じ味にするそうであり、これ以上寝かしてもあまり
意味無いとも言っていた。
以来私は、カスクストレングスも、希少ボトルも
有難がらなくなった。
良いものも有るかも知れない。しかしそれは
まるで、宝くじの様な物に今は感じる。日本産のウィスキー高騰に関しては、来日観光客が増えたことによるお土産買いが大きいと思います。友人がぜひ買って帰りたいというので、山崎を探して回りましたが都内で買えなかった経験があります。エルメスみたいに需給のバランスを整えるような在庫管理をすれば長く続くブランドが築けるのかもしれないですね