MUFG、インドネシア子会社株で減損2074億円
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2019年に三菱UFGグループの子会社となったダナモン銀行は、子会社化の直後である5月から株価が急落しましたが、これは、買収前の株価に戻っただけともいえます。
ダナモン銀行の元々の親会社はシンガポール政府の投資会社テマセクですが、三菱UFGは、2017年と18年、2度に渡って、20%ずつ計40%のダナモン銀行株をテマセクから購入しています。この間、2017年11月から2019年4月まで、ダナモン銀行の株価は倍増しています(4800ルピアから1万ルピアに)。もちろん、2017年11月の三菱UFJによる子会社化計画発表の結果です。三菱UFJによる1年半をかけた買収と追加出資の過程で株価は倍増し、現在は1株4000ルピア程度です。その間、ダナモン銀行の資産や業績が目覚ましい成長を遂げたわけでもないので、当然といえば当然です。
三菱UFJグループや、三井住友グループは、インドネシア、タイ、ベトナムなどで、現地の中堅銀行を買収して子会社化しています。国際的にも資産が際立って大きい日本のメガバンクが、新興国の金融市場に進出しているわけですが、かつてNTTが欧米やアジアの中堅通信会社を買収して進出を図り、やがて業績不振で撤退していったのと似ている気がします。
5月の時点では、こういうことを言われていたので、目論見からは外れているのでしょう。
「MUFG:今期純利益は9000億円、ダナモン銀の利益貢献など期待」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-15/PR84F56JIJV201投資なので損することもありますが、元々、MUFGはこの株式に純投資をして儲けたいわけではなく、インドネシアに地盤を築きたくて、出資したので、あまり気にすることではないと思います。
メディアはソフトバンクの件もそうですが、評価損についてやたらと書き立てますね。
評価損は実損ではないですし、また事業に乗り出す場合、投資の意味も違います。
インドネシアにおけるMUFGの戦略も併せて書かなければ、誤解を生むだけです。そもそも市場流動性が著しく低い(MUFGが94%保有)一方、インドネシアの現地法制上、非上場化することが困難であるため、会計上は上場株式として扱い続けなければならないことによる制度的誤謬に近しい減損に思えます。
数%の流通株式の時価で支配株式の簿価を決めなければならないことになっている。
BDMNの本業の数字に着目することが重要かと。