卓球台メーカーが「サブスク」で生んだ価値

2020/1/3
最前線で活躍するイノベーターたちの講義をオンラインでお届けする動画講義『MOOC』。今回はZuora Japan株式会社 代表取締役社長・桑野 順一郎氏の「ゼロから作る サブスクリプション・ビジネス」を配信します。
もはや、ビジネスモデルとして当たり前になりつつある「サブスクリプション・ビジネス」。
「アドビシステムズ」など「IT企業」を中心に、ソフトウェアの「売り切り型」から月額課金による継続的なサービス提供による「サブスクリプション型」へビジネスモデルの転換を図り、企業価値を大きく伸ばした例も数多く見られます。
なぜサブスクリプション・ビジネスが企業に新たな価値をもたらすのでしょうか。
講師を務める桑野氏は「サブスクリプション・ビジネスを追求することは、顧客に対して継続的に”価値”を提供するという、ビジネスの本質を突き詰めることになる」と語ります。
本講座では、そんなサブスクリプション・ビジネスの基礎知識を「約3分×10回」で伝授。ゼロからサブスクリプション・ビジネスを立ち上げる上で欠かせない考え方、ノウハウ、押さえておきたい事例などを徹底解説します。
ここでは、無料公開中の第1話の内容と第2話以降の概要をお伝えしましょう。

絶え間ない「変化」と「顧客理解」

桑野 サブスクリプション・ビジネスを展開する上で、大事なことは何でしょう。
私は、顧客を理解して、サービスも固定的にはせず、常に顧客が求めているものを提供することにあると考えています。
サブスクリプション・ビジネスとは、継続的に価値を提供して、収益化を目指すビジネスです。これにより、顧客と直接つながり、長期にわたるリレーションシップが築けます。
なぜ、サブスクリプション・ビジネスは急速に広がり、加速しているのでしょうか。
1つは顧客ニーズの変化です。「所有」から「利用」へ、顧客の考えは大きく変化しています。
そして、もう1つは「モノが売れない時代」が到来したことです。顧客の嗜好を捉え、その変化に合わせてモノやサービスを提供しなければ、企業も生き残りが難しくなりつつあります。
サブスクリプション・ビジネスは、まさにこの時代背景にマッチしているのです。
サブスクリプション・ビジネスで大きく変化した企業の1つが「Adobe」です。
かつてソフトウェアの売り切りモデルを展開していたAdobeですが、サブスクリプション・ビジネスに転換したことで業績が向上。株価は約7倍になりました。
このような成功企業の存在により、この数年はサブスクリプション・サービスを提供する企業が増え続けています。
近年では、Apple MusicやNetflixなどのメディアビジネスから、重機メーカー・コマツのような製造業まで、サブスクリプション・ビジネスに着手しています。さらに、今後はヘルスケアや教育まで広がるかもしれません。
拡大の一途を辿るサブスクリプション・ビジネス、本講座ではその概要を講義します。
さて、第2回以降の講義を進める上で、皆さんに1つクイズを出します。
アメリカにある卓球台メーカーがサブスクリプション・ビジネスを導入しました。それはどういったビジネスモデルでしょうか。
答えは第7回の講義でお伝えします。

最新ビジネスモデルの本質を学ぶ

「ゼロから作る サブスクリプション・ビジネス」では、第2話以降でその内容を詳細に解説します。
第2話以降のタイトル、内容は以下のとおりです。
「サブスクリプション・ビジネスと従来のプロダクト販売には決定的な"違い"がある」
桑野氏はその1つとして、「価値を売る」という考え方を紹介する。
「価値を売る」とは、一体何を意味するのか。
サブスクリプション・ビジネスは「単なる月額課金」モデルという認識もあるかもしれない。
しかし、桑野氏は「その認識は間違いである」と述べる。
真のサブスクリプション・ビジネスにある本質とは何か。桑野氏が解説する。
サブスクリプション・ビジネスの基本は「顧客とつながる」ことーー。
桑野氏はこの考え方を踏襲した、ディズニーが新たに始めた「Disney+」を例に挙げる。
世界的なコンテンツメーカーは顧客とつながり、何を実現しようとしているのか。
顧客との関係性を考える上で欠かせない「サブスクリプション・ジャーニー」。
ジャーニーを設計する際、桑野氏は「契約金額を上げる」よりも「契約期間を伸ばす 」ことを重要視するよう説く。
なぜ「契約期間を伸ばす 」のが大切なのか。「休止プラン」の必要性も交えながら解説する。
サブスクリプション・ビジネスにより新たな収益化を図ろうとする企業が続々と現れている。
その1つが、あの「Apple」だ。Appleは、iPhoneの販売台数の公表を取りやめ、「Apple Music」などサブスクリプション・サービスの売り上げ目標を公表している。
Appleはなぜ、「ハードウェア」より「サブスクリプション・ビジネス」に重きを置いているのだろうか。
卓球台を提供するキラースピン。本講義では、第1話のクイズの題材として取り上げた同社の取り組みについて解説する。
卓球台メーカーが提供する「新たな価値」とはーー。
ギーターメーカー、お菓子メーカー、これまでサブスクリプション・ビジネスとは無縁と考えられていた企業がビジネスモデルの転換を図っている。
第8話では、桑野氏がこれらの企業の事例を紹介。サブスクリプション・ビジネス参入のヒントを伝授する。
サブスクリプション・ビジネスへの転換を図っているのは海外企業だけではない。
TOYOTA、RICOH、国内の大手企業もその道を模索している。
大企業が新たなに提供しようとしている価値とは。桑野氏が徹底解説する。
サブスクリプション・ビジネスで競争に勝ち抜くポイントとは。
桑野氏は「他者より早く始めること、そしてサービスを永遠のベータ版として磨き続けること」を挙げる。
最終話はサブスクリプション・ビジネスをゼロから作るための要点をお伝えする。
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