[アンカラ 26日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は26日、リビアから要請があったため、早ければ2020年1月にも同国にトルコ軍の部隊を派遣すると発表した。

リビアでは、首都トリポリを本拠とし国連が認める暫定政権、国民合意政府(GNA)と、同国東部を拠点とするハフタル氏が対立しており、トルコは暫定政府を支援している。ハフタル勢力はロシアとエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンが後ろ盾となっている。

GNAのバシャガ内務相は「状況が悪化すれば、われわれはトリポリと住人を守る権利がある。その際には、(ロシア関連の)傭兵を追放するためにトルコ政府へ軍事支援を正式に要請するだろう」と述べ、トルコへまだ正式に要請していないことを示唆した。エルドアン大統領がどの要請に言及しているのかは定かでない。

トルコとリビアは11月、軍事協力と、リビアと地中海東部の境界線に関する海事協力に関する協定を結んだ。トルコは地中海で海上エネルギー探査に力を入れており、ギリシャやその他の隣国が警戒している。リビアとの海事協力によって地中海東部での孤立を避けられる。軍事協力は域内唯一の同盟国との関係を維持する狙いだ。

リビアでは暫定政府と同国東部を拠点とするハフタル氏が対立しており、トルコは暫定政府を支援している。

暫定政府はリビア東部で数カ月にわたり、ロシアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)が支援するハフタル氏の部隊と戦闘を繰り広げている。

エルドアン大統領は自身が率いる与党・公正発展党(AKP)の党員向けの演説で、「(リビアから)要請があったため、受け入れる。リビアへの派兵のための法案を、議会が開会後に直ちに提出する」とし、法案は1月8、9日前後に可決されとの見通しを示した。

エルドアン大統領は25日、チュニジアを訪問し、東西に分裂して戦闘が続くリビアの和平に向けた協力について協議した。 エルドアン氏は26日、トルコとチュニジアがGNAを支援することで合意したと発表。

ロシア政府はトルコによる派兵の可能性に懸念を示している。エルドアン大統領は、ロシアが支援するハフタル氏系の傭兵を黙認しないとしている。

米ホワイトハウスは、トランプ大統領が26日、エジプトのシシ大統領と電話で会談し、両者はリビアについて「外国による搾取を拒否する」姿勢を明示したと説明。

「両首脳は、リビアが外国勢力に支配権を奪われる前に紛争を解決するため、迅速に措置を講じなければならないとの見解で一致した」とした。

*内容を追加しました。