[ワシントン 23日 ロイター] - 米商務省が23日に発表した11月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済)は、年率換算で前月比1.3%増の71万9000戸と、前月の落ち込みから持ち直した。住宅ローン金利が低いことが住宅市場を下支えし続けていることを示唆した。

北東部と西部で伸びたことが押し上げ要因となった。ただ10月の数字は当初発表の73万3000戸から71万戸へ下方改定された。11月の市場予想は73万4000戸だった。

新築住宅は住宅市場全体の約11.8%を占める。新築住宅販売は建設許可件数を基に算出されており、月次の数値は乱高下する傾向がある。

11月の前年同月比は16.9%急増した。

米連邦準備理事会(FRB)が今年3回利下げしたことから、住宅ローン金利は昨年につけた数年来の高水準から低下した。一戸建て住宅の建設許可件数は11月に07年7月以来の高水準をつけた。12月の住宅建設業者指数は1999年6月以来の高水準だった。ただ用地と労働力が不足する中、住宅建設業者は手頃な価格帯の住宅建設を思うように増やせていない。

新築住宅の中間価格は前年同月比7.2%上昇の33万0800ドル。11月の販売は20万―40万ドルの価格帯に集中した。最も需要がある20万ドル以下の住宅は全体の売り上げの10%にとどまった。

地域別では、販売の大半を占める南部が4.1%減少した。一方、北東部は52.4%、西部は7.5%それぞれ増加した。中西部は横ばいだった。

住宅在庫は前月から横ばいの32万3000戸だった。販売ペースに基づく在庫の消化期間は5.4カ月。前月は5.5カ月だった。

シティグループ(ニューヨーク)のエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「FRBが金利据え置き姿勢を示す中、住宅ローン金利が低水準にあることが引き続き住宅市場の支援要因になる」と指摘。ただ「来年に市場が一段と活況を呈するとは予想していない」と述べた。

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