労災認定、副業の時間を合算 新制度、勤務実態を反映
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つまるところ、働きすぎを止める責任は雇用側にもあるぞ、ということでしょう。自己責任論に便乗した不平等な雇用環境が生まれないようにするためにも、大事な視点だと思います。副業に最適、などとうたって働いてもらっているところもあるだけに。
先日、失業給付における合算対象は65歳以上での試行案が出ていましたが、労災認定については労働時間把握あってこそ。考え方としては正しいと思う。
一方、そもそもジョブ型業務も時間給思考で良いのか。
企業労働者側とも管理の煩雑さから副業の機運が削がれぬようにしたいところ。
ちなみに政府の未来投資会議など様々な会議で同様の議論がなされています。ただ労働者が絡む案件の法制化には、必ず労政審の議論が必須、なぜならILOの決まりで公労私揃った議論が出来る場だからです。
ということで労政審の議論は最終段階として要チェック。会社が命じるまま何時でも何処でもどんな仕事でも引き受ける義務と引き換えに定年まで仕事と賃金を保証してもらうのが従来の日本の働き方。だから副業・兼業は禁止で、自律的にキャリアを作る自由もありませんでした。
副業・兼業をするとなれば、本業の側でも、何時でも何処でも言われたまま働く訳には行きません。自律的に働く自由があってこそ、副業・兼業が成り立ちます。
副業・兼業の解禁は、日本型雇用を続けることが会社側で難しくなり、会社任せの人生を送ることが働く側でもリスクになって、キャリアを自律的に決める方向に世の中が動き出したからこそ生まれた変化です。仮にどちらかの雇い主に長時間労働の責任を負わせるとなれば、その雇い主は兼業・副業を嫌うのが当然です。そういう意味で、雇用主側に副業・兼業と本業とを合わせて労働時間管理の責任を負わせるのは、制度の趣旨に合いません。
仮に雇用主の責任を問わず、労働時間管理は本人の責任だという前提で長時間労働を労災保険の対象にするなら、これは保険者としてあり得ない判断であるように感じます。そんなことが出来るのは、保険事故があったら保険料を勝手に引き上げ、場合によれば税金を投入することで懐が痛まず、“保険ビジネス”の範囲が広がる“官業”ゆえの甘さです、たぶん。
日本型雇用を崩して兼業・副業を進めたい官庁と、日本型雇用に根差す雇用保障の仕組みを守りたい官庁が、それぞれの思惑でバラバラに動いた結果じゃないのかな。この記事を見て、政策は整合をとって動かすことが大事、という思いを深めています (^^;