[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米財務省が16日発表した10月の対米証券投資統計によると、日本の米国債保有高が200億ドル超増加した。増加幅は他国と比べて最大だった。日本国債の利回りがマイナスとなる中、プラスの利回りを追求する動きが背景にある。

日本の米国債保有高は1兆1680億ドルで、前月の1兆1450億ドルから増加、5カ月連続で外国勢として米国債の最大の保有国となった。

同様のトレンドは民間セクターの米国債購入にもみられ、同セクターから米国債への資金流入超は5カ月連続となった。

BMOキャピタル・マーケッツの金利戦略部門バイスプレジデント、ジョン・ヒル氏は「海外の民間投資家による持続的な保有拡大は、米国債市場にとって中期的にプラスだ」と指摘。

「日本勢の保有拡大も、この投資家基盤からのヘッジされていない購入が増えているとのうわさと合致する」と述べ、日本の投資家が単に米国債のプラス利回りを求めていることを示唆した。

ただ、海外勢の米国債保有高は、全体では3カ月連続で減少した。

10月の海外投資家による米財務省証券投資は、167億5800万ドルの売り越し。9月は343億2400万ドルの売り越しだった。

海外の中央銀行など公的投資家が、14カ月連続で売り越しとなった。

ヒル氏は、自国通貨の対ドル相場下落を阻止する当局の動きを示していると指摘した。

米中貿易戦争が続く中、中国の米国債保有高は1兆1010億ドルとなり、4カ月連続で減少した。

米中は前週、「第1段階」の通商合意に至った。[nL4N28N3GZ]

10月の海外勢による米株式投資は、42億7700万ドルの売り越し。9月は88億2500万ドルの買い越しだった。売り越しは昨年5月から今年5月まで13カ月続いていた。