トルコ、米制裁ならインジルリク空軍基地閉鎖も=エルドアン氏
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第一次大戦中に当時のオスマントルコ帝国によって30万とも150万とも言われるアルメニア人が殺害されたとされる事件は、100年以上だった今でもオスマン帝国の後継国家であるトルコに刺さった歴史的なトゲのようなものです。
この事件については感情的な対立に陥入りやすく、歴代のアメリカの政権は不用意にこの問題を取り上げるのを避けてきました。
ところが今年10月にアメリカ下院がアルメニア人虐殺の非難決議を行ったことから、このところ悪化していた米土関係は更に大きく悪化の方向に向かいつつあります。
エルドアン大統領が閉鎖すると脅しているインジルリク空軍基地はシリア国境から110キロにあり、アメリカの他イギリスも使用している中東を睨むNATOの最前線基地です。
特に重要な点として、ここにはアメリカが国外に所有する核爆弾としては最大の数である50発のB61航空機搭載型熱核弾頭が配備されています。
(その他のアメリカの核はベルギーのクライネブローゲル、ドイツのビュッヘル、イタリアのアビアノ、ゲディ、オランダのフォルケルの各基地にいずれも20発が配備中)
インジルリク基地は2016年のクーデター事件で反乱軍に加担したため、一時核爆弾の管理が危うくなり、慌てたアメリカが基地を封鎖するという事件があったことがあります。
アメリカとしてはこの核弾頭をどうするのかも含めて、インジルリク基地からの撤収も検討していくことになると思われますが、そのことはNATOの空文化をより一層促進することになるでしょう。