米政権、アフガン駐留米軍4000人撤収を今週発表か 報道
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米国政府は、オバマ政権の時以来、繰り返しアフガニスタンからの撤退を発表しようとしては撤回する、ということを繰り返してきました。米軍撤退後の惨事が予測できないからです。
かつて米軍が撤退した後の南ベトナムは、ベトナム共産党の軍にいとも簡単に破られ、ベトナム難民が米国など各国へ流出しました。
ソビエト連邦がアフガニスタンに立てた傀儡政権は、反政府軍に潰されました。ソ連時代の傀儡大統領は、首都カーブルに攻め込んだターリバーンによって処刑され、街頭に吊るされました。
もし米軍が撤退することでアフガニスタンに今ある傀儡政権が攻め滅ぼされるなら、米国は数万人程度のアフガニスタン人難民を受け入れねばならないくらいの義理はあるでしょう。日本も応分の負担を求められるかもしれません。
そのため、米軍撤退は、ターリバーンとの和平とセットです。米国政府は、ターリバーンに政党となって選挙に参加するとか、傀儡政権と連立を組んではどうか、とかいった提案をしてきました。しかし、米軍さえいなくなれば全土を制圧できるターリバーンには、そのような妥協をする動機は本来ありません。そのため、和平交渉は毎回ご破算になり、撤退計画も取り下げられてきました。
米軍が撤退できるとしたら、トランプ政権が後先考えずに傀儡政権を見捨てる場合だけです。ともあれ、歴史を復習しておこう。アフガニスタンでは、イラン革命の前年にあたる一九七八年春、軍部クーデターによって共産主義寄りのアフガニスタン人民民主党が政権を掌握し、アフガニスタン民主共和国が樹立された。しかし、この政権に猛反発したイスラム教勢力は、一九七九年、ペシャワールに逃れて当地でイスラム教政権の樹立を宣言した。ここから、共産主義政府とイスラム教反政府勢力の激しい対立が始まった。一方、アフガニスタンの北に位置したソ連は、アフガニスタンの共産主義政権の実態を不安視し、イスラム教勢力による反政府運動が自国に及ぶのを恐れた。かくして一九七九年末、ソ連がアフガニスタンに侵攻し、ソ連が擁立したバブラク・カルマルがアフガニスタンの実権を握る。だが、それでイスラム教勢力との対決が終わったわけではない。今度は、反ソ連という立場から、アメリカがイスラム教勢力を後押ししたのだ。その時、ソ連と闘う英雄としてアメリカで称賛されたのが、オサマ・ビンラディンであった。今の問題だけを見ては、全体が理解できない。
米NBCニュースによると、高官3人の発言として、トランプ政権がアフガニスタンから米軍部隊4000人を撤収する計画を発表する意向だと報じています。