FRB、越年資金供給53兆円 ドル不足を懸念
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9月にドルの短期市場が逼迫し翌日金利が6%まで急騰し緊急措置が取られ、11月にもレポ取引を通じて750億ドルが供給されました。
主に円投でドルを調達している邦銀(円資金を原資に外貨資金を調達)はドル調達コストが上がるので市場では銀行株の売り材料になったので今回もそういう観点からも注目されています。
9月の時は法人税をの支払いと米国債入札の決済が重なったことがマーケットが逼迫した理由だった模様です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-17/PXZ8QZ6TTDS001Fedが年末にかけて資金供給することはすでに報じられていましたが、今回あらためて規模が示されました。先週水曜日時点では、2100億ドルのレポ残高がありますので、年末に4900億ドルを目指すとなると、それだけで2000億ドル以上、バランスシートが拡大することになります。
この問題の本質は、+2000億ドルなり、約5000億という規模のレポ(バランスシートの10%以上)をすることは、QEなのか、という点にあります。FedはQEではないとしていますが、それではこのバランスシートの拡大にどのような意味があるのか。Fedは利下げをして正常化から後退しましたが、このバランスシート問題も未解決のまま、結局越年することになります。
ちなみに9月の金利高騰について、当然市場は法人税の支払いと入札決済の重なりは分かっていたわけで、それがそのものが金利高騰の直接的な原因ではありません。結局のところ、資金需要に応えきれなかったFedの対応の遅れが批判されるべきで、当時よりもさらにレポによる資金供給をしている中では、これは法人税や入札といった短期の話ではなく、市場構造の問題です。
ちなみにFedのレポ残高はこちらでみられます。
http://bit.ly/2EmqyWM米FRBによる年末越えの資金供給。短期金融市場が主に相対取引なのに、年末にかけては市場参加者が減っていくために起こるものです。お金は足りないよりは潤沢な方がいい、基本的に銀行も行動原理は同じです。