旭化成より特許が4年早かった三洋電機の謎を追う - 高橋真理子
論座(ロンザ)
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コメント
注目のコメント
久々に面白い記事を読んだ。現場にいる科学研究者では取材の可否も含めてこういう記事は書けないだろう。三洋電機の科学的功績はもっと世間で評価されるべきである(商業的には成功したのかもしれないが)。著者の高橋さんによる結論も引用をしたいが、この記事を尊重して控えておこう。
>引用
『19世紀のドイツ語論文をおそらく日本の技術者たちは知らなかっただろう。だが、グローバルスタンダードでは、論文があればそれが先行研究ということになる。ノーベル賞委員会はだから三洋電機の特許を重視しなかったのか。だが、話はそれで終わらない。電解液を工夫することで、正極をリチウム源として負極に黒鉛を使うことも可能になったのである。三洋電機が商品化したのは、このタイプである。そして、このタイプが発売わずか3年にして世界トップシェアを取ったのだ。
さらに、安部教授の記事には「正極にリチウム含有遷移金属酸化物、負極に黒鉛の組み合わせは近年の大半のリチウムイオン電池に採用」されているとある。現在のリチウムイオン電池の多くが負極は黒鉛なのだ。旭化成の「非晶質炭素」ではない。池田さんが「いかにサンヨーの黒鉛が強いか」と力を込めたのもうなずける。池田さんによると、結晶がなければリチウムイオンは入っていけないのだそうだ。
なお、特許権は出願日から20年で消滅する。いずれの特許権もとっくに消滅し、公知の技術として人類の財産となっている。』