増えるフリーランス、若い世代ほど顕著
フリーランスとして働く人は、これまでになく増えている。
実際、米国で通常雇用の枠外で収入を得ている人は5700万人に上るという推計値もある(これは、フリーランス・プラットフォーム「アップワーク(Upwork)」とフリーランサーの権利擁護団体「フリーランサーズ・ユニオン」が、米国の成人6000人以上を対象とした最近の調査をもとに出した推計値だ)。
フリーランサーはいまや、合計1兆ドル近くの収入を稼ぎ出し、建設業や輸送業よりも経済に貢献している。プログラミング、マーケティング、IT、ビジネスコンサルティングなどのスキルのあるフリーランサーは、平均で時給28ドルを稼いでいる。これは、米国の労働者の70%が稼ぐ時給よりも高い。
さらに、若い労働者ほどフリーランサーになる率が高い。18歳から22歳までのZ世代の労働者の半数以上は、なんらかの種類の仕事をフリーランスでしている。この割合は、ミレニアル世代では40%で、X世代では31%。ベビーブーム世代では29%にとどまっている。
ギグ・エコノミーは実在する。しかし、そういう働き方があるとして、誰もが実現できるのだろうか。もっといえば、「あなたに向いているだろうか?」
フリーランスのメリット、デメリット
私自身は、どちらの働き方の経験がある。
大学を出て最初に就いた職は企業広報の仕事で、講演やニュースレターの記事を書くことで決まった給料をもらっていた。定期的な給料、有給休暇、包括的な医療保険に頼れるのは、とてもありがたかった。
けれどもその後、子どもを持つようになると、夫と私が託児所に支払うお金が法外な額になり始めた。だから、私は仕事をやめた。
子どもたちが少し成長すると、私はまた自分で収入を得たいと思うようなった。
そこで、私はフリーランスとして執筆を始め、個人的な依頼を受けたり、メディアサイトに寄稿したりするようになった。なかでも『Inc.』は、ここ10年の私の主要な仕事場になっている。この記事では、その過程で私が学んだことを紹介しよう。
①自分の力で収入を得るのがストレスになることもある
電話代やゴミ処理料金、電気代、保険料、住宅ローンは、どれだけ仕事があるかに関係なく、毎月支払わなくてはいけない。そして、どれだけ仕事があるかは、ひとえにクライアントがまた雇いたくなるような質の高い仕事をして自分を売り込む能力に左右される。
スケジュールを埋められるかどうかは、すべてあなたの肩にかかっている。それを大きなプレッシャーと感じることもある。
②自分の好きなときに、好きな場所で働く解放感
夜中の2時に目が冴えてしまった? それなら、仕事をしたければ仕事をすればいい。昼のあいだは子どもを追いかけまわさないといけない? それなら、夜にフリーランスの仕事をすればいい。
旅行をしながら、同時に仕事を片づけたい? 私は自動車旅行中の助手席で、夫が運転席に、子どもたちが後部座席に座っているあいだに、たくさんの記事を書いてきた。私にとってこの手のマルチタスクは、とても満足できるものだ。
③社会保障や医療保険をサポートする方法を見つける
自営業の人は、雇用主の提供する医療保険は受けられない。私がそれを知っているのは、私たち夫婦が長年にわたって自腹で医療保険を購入しなければならなかったからだ。これは途方もなく高くつくし、どちらにしても膨大な自己負担金を払うことになる。
わが家の場合、この問題は私が学校に戻り、フリーランスで執筆を続けつつ、病院で看護の仕事を始めたことで解決した。看護師はたいてい、よい医療保険を受けられるが、フリーランサーはそうではない。
④毎日通勤しなくていいのは、まさに天国
フリーランサーの仕事の大半は、リモートワークでできる。週5日通勤して、決まった時間にデスクワークをするのは、精神にこたえる。私は絶対に、そんなふうに自分の時間を使いたくはない。
⑤自宅で仕事をするには規律が必要
家庭という場所には、先延ばしの理由が数かぎりなく存在している。デジタル・ディストラクション(情報機器の使用による注意散漫)については、オフィスワーカーも時間を無駄にしているが、自宅ではそれに加えて、家事やペット、それに食べ物がつまった冷蔵庫も、あなたの注意を仕事から反らそうとする。
私はその対策として、オフィスに出かけるかのような服装をすると効果があることに気づいた。そうすれば、生産性を熱心に追求するハードワーカーのような気分になるからだ。ぼさぼさの髪で歯も磨かず、パジャマのままでいると、その反対の作用が生じる。
⑥バックアップ策としてパートタイム職を持つ
需要の大きいスキルを持っていて、自営だけで十分な生活費を稼げるという確信がある人でもないかぎり、パートタイムの職を持つのが理想的だ。
すでに書いたように、私はフリーランスの仕事のほかに、看護師としてパートタイムで働いている。看護の仕事でもらえる定期的な給料は、フリーランサーとしてのプレッシャーをいくらか軽くしてくれる。それに、まったく違う2つの仕事で報酬を得るのは楽しい。その多様性が、私の関心とやる気を保ってくれる。
フリーランスサーになるのなら、はじめに自分の性質を知ること
ギグ・ワークやフリーランス がどんなに魅力的でも、そもそもフリーランスに向く仕事と向かない仕事がある。そして、個人の性質としてフリーランスが得意なタイプと向かないタイプがある。
「向く仕事」でいえば、それはテクノロジーが介在できる仕事や、オンラインで作業を分担できるタスクを指す。
例えば私はアップワークを好んで使っているが、ほかにも、あなたの働きを求めるクライアントとつなぐプラットフォームがある。「フリーランサー・ドットコム(Freelancer.com)」「ピープル・パー・アワー(PeoplePerHour.com)」「フィーバー(Fiverr.com)」「グル(Guru.com)」などだ。
組織に所属してチーム感ある働き方を求める「チームワーク型」を好む人や仕事には向かないかもしれないが、タスクごとに参加し自分の裁量を最大化することに長けた「ジョブ型」を好む人や仕事にはぴったりだろう。
どんな仕事も働き方も素晴らしい。だからこそ、この新しい働き方の潮流もしっかり捉えて、自分の能力を最大化するチャンスを広げよう。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Christina DesMarais/Contributor, Inc.com、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:SamuelBrownNG/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.