横領、着服、水増し、偽装。不適切会計が過去最多になった理由
NewsPicks編集部
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今は登録を抹消しましたが、監査法人勤務時代は公認不正検査士のライセンスホルダーとして、監査法人内の会計不正の専門チームにも携わっていました。その経験から言うと、正直、今も昔も不正の手口は全くと言っていいほど変わっていません。逆に言えばテクノロジーを使った高度な不正はほとんど見当たりません。
記事内でも発生事例を列挙してくれていますが、大きく分類分けすると、海外案件、工事進行基準系の売上水増し、原価付け替え、横領・着服、会計上の見積りのミスなどに分類されます。これらを会計監査人が監査ですべて見つけることは困難で、それを本気でやろうとすると、それこそ仕訳の精査くらいのレベルが必要、それでも見つけられない可能性がある、というレベルです。
では、内部統制を強化したら防ぐことができるか、といえば、J-SOX制度が不正撲滅という意味では、意味をなしていないのは火を見るよりも明らかで、やはり根底にある経営者のマインドセットを変えるのが一番なのかな、というのが消極的な結論と言えます。メディア側はもうそろそろ「不適切会計」という用語を使わない方がよいのでは。読者に誤ったメッセージを与えるような気がしてならない。百歩譲って「不正会計」、ストレートに「粉飾決算」でいいと思う
東芝の例などでは、不正を見抜けなかった監査法人に対し、株主代表訴訟で1兆円の損害賠償を求めるケースもありました。
監査法人だけではなく、取締役、監査役に対する訴えも増えてくるのではないでしょうか。
ガバナンスが効いていない企業が多ければ、その国のマーケットは信頼されず、海外投資家の資金を呼び込むことが出来ません。東証1部の市場再編に併せて議論されるべきかと考えています。