記述式答案はなぜ1次試験に向かないか 自己採点が不可能な本当の理由
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とりあえず問題の解答例
2019=1001a+110b+101c+d
=1000a+100(b+c)+10b+a+c+d
とおく(a, b, c, dは-9〜+9の整数)
-18≦b+c≦18なので、aは3,2,1
i)a=3
-984=100(b+c)+10b+c+d
b+c=-10, -9
b+c=-10
26=9b+d
解なし
b+c=-9
-75=9b+d
(b,c,d)=(-8,-1,-3),(-9,0,6)
ii)a=2
17=100(b+c)+10b+c+d
b+c=0,±1
b+c=0
17=9b+d
(b,c,d)=(1,-1,8),(2,-2,-1)
b+c=1
-84=9b+d
b=-9, d=-3, c=10...不可
b+c=-1
118=9b+d ...b=12となり不可
iii)a=1
1018=100(b+c)+10b+c+d
b+c=10の時のみ
8=9b+d
b=1, d=-1, c=9
b=0, d=8はc=10で不可
b=2はd=-10で不可
よって
(a,b,c,d)=(3,-8,-1,-3),(3,-9,0,-6),(2,1,-1,8),(2,2,-2,-1),(1,1,9,-1)
記事の趣旨は、様々な別解がある場合の部分点の与え方を考えると(少なくとも数学で)記述式試験は難しく、そして数学の本質はその別解の多様性にあると言いたいようだが、この問題は殆ど別解の余地がないのでそもそもこのテーマの題材として不適格。
記事中の第一の解法はそもそも答えが違うので0点。第二の解法は6つの解のうち1つにたどり着いているが、導出は不十分。
部分点の与え方は考え方によって様々あるが、この問題の解法は(多分殆ど)一つしかないので、あとはどこまで可能性を確認しているかチェックするなどすれば、統一的な採点基準の作成は比較的容易なケース。
他にもツッコミ所はたくさんある。数学の問題を題材としているのに、なぜか物理学者ボルツマンの言葉として「物理の本質はその自由性にある」と引用しているが、それを言うなら数学者カントールの「数学の本質はその自由性にある」という有名な言葉を引用すべきだし、そもそも私の知る限りボルツマンはそんなことは言ってない笑(いうキャラじゃない)
センター試験はよくできてましたよね。