[ヨハネスブルク 9日 ロイター] - 南アフリカのラマポーザ大統領は9日、巨額の債務を抱えて経営が悪化している国営の南アフリカ航空(SAA)について、更生管財人が会社を管理し事業の再構築を行う破産手続きに入るしか選択肢はないと述べた。

SAAは、2011年以降赤字続きで巨額の債務を抱える。過去3年間に200億ランド(14億ドル)を超える金融支援を政府から受けたが、なんとか存続している状態。

ラマポーザ大統領は4日、SAAがほぼ破綻状態だとして、更生管財人の管理下に入る破産手続きに入るよう命じた。

大統領は、週報で「(SAAの)危機が深刻となり、この緊急措置をとるのが生き残るための唯一の道だ」とし「銀行、政府、経営陣、社員が支援し、SAAは存続可能な企業になるために必要なリストラを実施しつつ業務を継続することになる」と述べた。

SAAは、救済計画を実施するために政府や銀行から40億ランド(2億7200万ドル)の金融支援を受けているが、アナリストはそれでも数カ月しかもたない可能性があると指摘している。

国営企業の危機は、ラマポーザ大統領の経済改革への決意を問う試金石となっている。

大統領は、電力会社エスコムなど多くの国営企業が巨額の債務を抱えているが、多大な能力を持つ貴重な国家資産に変わりないと説明。

「これら戦略的企業を破綻させはしない。それらが健全性を取り戻すために、思い切った措置でも、必要なあらゆる措置を講じる」と述べた。