[メキシコ市 8日 ロイター] - メキシコのエブラルド外相は8日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」で米国が要求している自動車用鉄鋼の扱いについて、協定批准後5年以上の猶予があるなら受け入れる考えを示した。

USMCAは既にメキシコで批准手続きが完了しているが、米国は下院で多数派を占める民主党が労働基準や環境に関する規定の実効性に懸念を示し、批准手続きが滞っている。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はまた、自動車関税をゼロにする条件である原産地規則における域内調達の定義について、鉄鋼やアルミニウムは原料を溶かす工程から北米で行われると新たに規定するよう要求した。

エブラルド氏は「この規定は多くの問題を生じさせるとの見解をメキシコとして伝えた」と表明。USMCAでメキシコの首席交渉官を務めるセアデ外務次官が同国の要求を示すために数時間内にワシントンを訪問すると述べた。

「協定批准と同時にこの規定が有効になるならば、メキシコは受け入れないと(米国に)伝えるつもりだ」と指摘。

その代わり、鉄鋼についてはUSMCA批准後5年以降ならば新たな規定を有効にすることを認め、アルミニウムについては、メキシコは原料を生産していないため、原産地規則の厳格化は認めないと述べた。

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