ミレニアル世代を取り込む「チャレンジャーバンク」、日本で取り組むKyashの挑戦
コメント
注目のコメント
チャレンジャーバンクですが、これを一つのジャンルとして近い将来日本にも来るだろうという予想はナイーブに過ぎると思います。チャレンジャーバンクが流行っている国にはそれぞれに解決すべき問題が既存の銀行サービスに存在し、その解決策がチャレンジャーバンクです。逆ではありません。
日本にもチャレンジャーバンクの波が来るのであれば、それをもってどのような問題を解決するのか強いイメージが欲しいところです。
フランスではLydiaという割り勘サービスが機能面ではKyashの上位互換という感じで人気があります。こちらもチャレンジャーバンク的な使われ方を意識しているフシはあるのですが実際どの程度既存のネット銀行と対抗出来ているのか疑問なところ。他方でLydiaはTreezorというBaaSを使っていますが、KyashがこのBaaSも提供しようとしているのはチャレンジングだと思います。
送金ですが、チャレンジャーバンクの流行っている欧州ではSEPA域内の個人口座からの送金は既存の銀行でも「時間はがかかるが、基本無料」です。ですので解決すべき問題は着金までの時間と、あるいはIBAN番号で送金先を指定する手間の問題です。
これに対してチャレンジャーバンクが解決策になっているかというと半々です。同じ銀行内での送金に関してはインスタント送金が実装されており、例えば同じ銀行の口座を持つ家族やパートナーとのやり取りには便利。他方で銀行間の壁は乗り越えられないのでSNS的な広がりには限界がある、という感じです。「チャレンジャーバンクの代表格として名前が挙がることの多いドイツのN26(推定時価総額 : 約35億ドル)、イギリスのMonzo(推定時価総額 : 約26億ドル)、ブラジルのNubank(推定時価総額 : 約100億ドル)、アメリカのChime(推定時価総額 : 約15億ドル)。これらはどれも企業評価額が10億ドル(日本円で約1000億円)を超える、いわゆるユニコーン企業だ。」
チャレンジャーバンクを目標と言い切るところまで来たんですね!
頑張ってください、鷹取さん!!
ところで、チャレンジャーバンクの洞察は、この記事はまだ甘いですね。
チャレンジャーバンクがいち早く台頭したのはイギリス、そしてドイツの欧州勢です。アメリカは銀行免許を取るハードルが高いために、出遅れましたが、最近ようやく出て来ました。
欧米でのチェレンジャーバンクの位置づけは、既存の銀行が色々な取引に対して手数料を取る料金体系も大きな要因です。口座維持手数料も、口座残高が100万円くらいないと無料にならないなど使い勝手が悪いからです。またそもそも銀行口座を開くのがとても手間です。
一方、日本では既存の銀行は欧米の銀行と比較して収益性が悪いのは、この各種手数料を取れていないからです。恐らく近々口座維持手数料はデフォルトになるのでしょう。
そうなるとアプリだけで完結するチャレンジャーバンクの優位性が日本でも出てくることになります。
既存の銀行との駆け引きが続くと思います。
なお、記事にある↓はちょっと違うと思います。
↓
今までであれば、数千円単位のお金を友人とやりとりするのに、その都度「銀行振込」を使うのは面倒だった。ところがチャレンジャーバンクの台頭によってその行為が極めて簡素化される
こと送金であれば、チャレンジャーバンクというより、送金アプリ(アメリカのVenmo、スウェーデンのSwishなど)のお陰で簡単になっています。
チャレンジャーバンクは、アプリですべてのサービスを提供することにより余力が出るので、既存銀行より高い受取金利が最大の魅力でしょう。
UXの良さだけ伸びてきたわけでありません。