【独白】ライザップ瀬戸が語る、「あの赤字」からの1年間

2019/12/8
この1年間はライザップとって、創業以来、最も厳しい期間だっただろう。
2018年11月14日、RIZAPグループは決算会見で、成長の柱としてきた買収のストップを発表し、業績予想を営業赤字に下方修正した。
それまでライザップは、赤字企業を中心に買収し、再建をすることで成長をしてきた会社だ。しかし買収スピードに再建が追いつかず、ビジネスモデルが逆回転を始めた。
2019年3月期の営業利益は、当初の230億円の予想から大幅に下振れし、93億円の赤字に転落してしまった。
そしてあれからちょうど1年、ライザップは黒字化を果たす。2019年11月14日に発表された2020年3月期の中間決算では、27億円の営業黒字を叩き出している。
ライザップは何が変わったのか。そもそもなぜ、買収に溺れたのか。そして松本晃取締役は、なぜ会社を去ったのか。
NewsPicksは瀬戸健社長に、シンプルな質問をぶつけた。
瀬戸健(せと・たけし)/RIZAPグループ社長。1978年福岡県生まれ。明治大学商学部中退。2003年、健康コーポレーションを設立。「豆乳クッキーダイエット」などのヒット商品を生み出し、2006年に札幌証券取引所アンビシャス上場を果たす。2016年7月、RIZAPグループに名称変更した。

「命の危険」を感じた

──約1年前、それまでの急成長から一転、赤字に転落しました。期待していた投資家からも、厳しい意見が多かったようですね。
業績が落ち込んだので当然ですが、90%後半くらいの方、つまりほとんどの株主さんが、「ふざけるな」という感覚を持っていたと思います。
本当にご迷惑をおかけしてるので、我々に釈明の余地はないんですが、電話で伝わってくる温度感には、ものすごいものがあった。
その頃は正直、命の危険を感じるようなお声もありました。決算会見で赤字を発表してから1週間くらいは、ボディガードについてもらいながら移動していました。