[マニラ 5日 ロイター] - フィリピン政府統計局が発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.3%上昇と、前月の0.8%上昇から伸びが拡大した。ロイター調査による予想中央値と一致した。アルコール飲料、たばこ価格や公共料金の上昇が加速した。

これにより、1─11月の平均インフレ率は2.5%となり、フィリピン中央銀行の通年目標である2─4%の範囲に収まった。

コアインフレ率は2.6%で、前月と変わらずだった。

CPI上昇率は、ベース効果の弱まりなどから10月以降は拡大するとみられている。

中銀はテキストメッセージで、「11月の1.3%上昇は中銀の予想範囲内であり、2020─21年にかけて目標の中間に向けて徐々に上昇するとの見通しとも一致している」と分析。今月12日の次回会合で新データと潜在リスクを検討すると付け加えた。

マニラのセキュリティー・バンクのエコノミスト、ロバート・ダン・ロセス氏は、「インフレ動向が中銀予想と合致しているため、中銀は金融緩和を先送りするとわれわれはみている」と述べた。