【事例】価格戦略の最先端。ビックカメラ、USJ、Uberの思惑

2019/12/5
かつて、京セラ名誉会長・稲盛和夫氏が「値決めは経営」と語ったように、値決め(プライシング)は事業の根幹を成すもののひとつだ。
これまで商売人の「勘と経験」に頼っていた値決めを、テクノロジーの力で最適化しようとする動きが、近年、活発になっている。需給に応じて価格が変動する「ダイナミックプライシング」がその代表例だ。
企業の価格設定を支援するサービスを運営する松村大貴氏は、値決めに関する一連の技術を「プライステック」と総称する。先日に配信されたNewsPicks MOOCの中で、プライステックが経営に与える影響を解説した。
「これからは、価格戦略が企業の成長を左右する」と語る松村氏。その真意を聞いた。
*前編はこちら
【解説】「勘と経験」に頼った値付け、もうやめませんか?

ショールーミングという悩ましい問題

──前編では、「プライステック」の概要を伺いました。後編では具体的な事例についてお聞きします。インタビューに先立ち、いくつか注目事例を挙げてもらいましたが、1つ目は家電量販店大手・ビックカメラの事例です。
今年5月、ビックカメラが、2020年度末をめどにダイナミックプライシングを全店舗で導入することを明らかにしました。これについてどう分析しますか。