[ワシントン/北京 2日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、香港人権・民主主義法(香港人権法)の成立によって中国との通商協議は容易ではなくなったが、中国は依然として米国との取引(ディール)を望んでいると述べた。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し「中国は常に交渉している。中国はディールを望んでおり、米国は今後の様子を見守る」と述べた。

また、香港人権法が通商協議にどのように影響を与えているかとの質問には「良くはならない」と応じた。

米ニュースサイトのアクシオスは1日、香港(人権・民主主義)法が原因で米中通商協議が行き詰まったと報じた。

ただコンウェイ大統領顧問は2日、年内の米中通商合意は依然として可能とした上で、「第一段階」の協定文書が策定段階にあると明らかにした。

ロス商務長官はFOXビジネス・ネットワークとのインタビューで、1560億ドル分の中国製品への追加関税発動期限が15日に迫る中、関税回避に向け中国に残された時間は少ないと指摘。「(15日までに)何も起きない場合、大統領は関税を発動すると明言している」と述べた。

追加関税を発動した場合の年末商戦への影響については、小売各社ともすでに在庫を確保しており、大きな影響は出ないとした。トランプ政権が現在の関税を撤回する用意があるかとの質問には、中国の態度次第だと答えた。

中国共産党機関紙・人民日報の傘下にある「環球時報」は3日、中国は近く「信頼できない団体のリスト」を公表すると報じた。

同紙は、中国企業の利益を損ねる新疆ウイグル自治区に関する法案が米下院で近く可決される見通しであることを踏まえ、このリストの作成を急いでいると説明。関連のある米国の団体もリストに掲載されると指摘した。

米上院は、新疆ウイグル自治区での中国政府による少数派のウイグル族やイスラム教徒の弾圧を止めさせるための法案を今年9月に可決しており、下院でもこの法案が現在審議されている。

また、環球時報の胡錫進総編集長は3日、中国が米国のすべての外交官用旅券保有者に対して新疆ウイグル自治区への立ち入りを禁じる可能性があるとソーシャルメディアに投稿した。

胡氏はまた、米議会が準備している法案への報復として、中国が新疆問題で「不快なパフォーマンス」を行った米国の当局者や議員へのビザ制限も検討しているとした。

*内容を追加しました。