日印初の外務・防衛閣僚協議開く 「自由で開かれたインド太平洋」確認
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日本のインドに対する思惑は、インド側の期待とはズレているところがあります。日本は、この記事にあるように「中国を軍事的に牽制する」といった期待がありますが、インド側にすれば、そのような期待は、持たれるだけでも迷惑なことです。
数多くの課題を抱えるインドにすれば、日本とのパートナーシップには大きな期待を持っていますが、主に経済、特にインフラの建設や直接投資、雇用の創出、技術移転などです。インドは、中国に対しても基本的には同じ経済的な期待を持っています。インドが望むのは、日本とも中国とも協力関係を築き、諸課題を解決しながら経済成長を持続させることです。
インドが中国の軍事的脅威を感じていないわけではありません。特に、ネパールやスリランカなど周辺国に中国の影響が急増しつつあることには繰り返し懸念を表明しています。しかし、インドの主敵はあくまでパキスタンです。日本がインドの対パキスタン感情を共有できないように、インドも日本の対中国感情を共有することはできません。
インドにとって最悪の軍事的シナリオは、いずれ起こるであろう第四次印パ戦争において、背後から中国に挟み撃ちされることです。インドとしては、その時に備えて、できるだけ中国と良好な関係を築かなければなりません。また、中国はパキスタンに兵器を供与している主要な国ですが、それもできるだけ抑えてもらいたいところです。
第四次印パ戦争で日本は助けに来るわけではなく、中国が背後からインドを突いた場合に日本がそれを阻止する軍事行動をとることも期待できない以上、インドにとって、中国を敵に回してまで日本と軍事的関係を強化することに利益はありません。ただし、日本だけではなく米国とも同時に軍事同盟を結べるのであれば別ですが、米国はパキスタンをそこまでの窮地に追いやることはしないでしょう。日本とインドは、
軍事拡張を進める中国の影響をまともに受けている国として、
安全保障において、対中国で利害が一致するところがあります。
また、インドは、
中国の進める一対一路に大きな懸念を表明しており
明確に反旗を掲げているおそらく唯一の国です。
12月に安倍首相が来印されますが、
いろいろなイニシアチブが水面下で動いており
どんなネタをどこまで発表できるようになるのか、
注視しています。日本とインドの間で、初めての外務・防衛閣僚協議が開催された。日本にとってはインド太平洋構想の趣旨に沿った協議。中国との関係改善を重要な政策目標にしているインドにとっては、バランスをとって米国を安心させたいという思いがある。日印関係が、日米豪関係のようになるわけではない。