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中国は、2019年7月に発表した国防白書「新時代的中国国防」において、米国と中国の二国間対立という構図を避け、米国は国際社会の敵であるという認識を示しました。その上で、ロシアだけを指名して、軍事協力を強化するとしたのです。また同時期、中国とロシアが、2019年秋にも、軍事協力協定のようなものを結ぶと発表されました。
中ロの軍事協力が進んでいるのは間違いありません。ただ、中ロが、対米姿勢を固めるのには時間差がありました。ロシアは、2014年のウクライナ侵攻によって国際社会から孤立した直後(2015年)に発表した「国家安全保障戦略」において、米国が国際社会の敵であるという認識を示し、中国と軍事協力を進めるとしました。
孤立し追い詰められたロシアがこのような認識を示したころ、中国はまだ米国に対する姿勢を固められないでいました。2013年の中ロ海軍合同演習までは、中国がロシアとの協力姿勢を見せようとして、ロシア側の腰が引けていました。ところが、2014年になると、同演習の開幕式にプーチン大統領が出席して兵士を激励するといったアピールをするようになります。
当時の中国軍人は、自分のペースで米国との間合いを測っていたのに、急にロシアが背中を強く押すようになって、あわててブレーキをかけているといった内容のことを言っていました。中ロは、それぞれ自分の都合で、「中ロ軍事協力」を利用しようとしているのです。
中ロ間には根強い相互不信があります。また、中ロ間には共同作戦を支えるリンクのような情報共有のシステムも仕組みもないようです。9月に中国語で、ロシアが、中ロがミサイル防衛システム開発を共同開発すると発表したと報じられました。中ロがいよいよ共同作戦の基盤ともなる目標情報の共有に動いたのかと思いました。しかし、ロシアの安全保障を専門とする研究者に話を聞くと、ロシアは「中国の開発を支援する」と発表したのであって、共同開発ではないとのこと、両国の思惑の違いも透けて見えます。
だからといって、中ロ軍事協力が進まない訳ではありません。ロシアは、自らが正面に立たず、協力の姿勢を見せて中国の背中を押して米国と衝突させようとするでしょう。ロシアの常とう手段とも言えますが、大国でなくなったロシアには軍事的緊張を高める以外に手段がないのかも知れません。
「もし日本とは直接的には無関係な事由で米中が戦闘状態に突入した場合、これまで危惧されていた中国軍による在日米軍基地への攻撃の可能性に加えて、「中ロ同盟」を口実に「極東アメリカ軍を叩いてしまおう」と考えるロシア軍による在日米軍施設への攻撃も起こりうるのである」