パナソニック、半導体事業の売却発表 270億円で
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パナソニックはリーマンショック以降、シャープの液晶テレビと覇権を争った結果としての、尼崎工場のプラズマテレビ撤退や、三洋電機買収後の白物家電のハイアールへの売却など、大規模な投下資本を回収することで、ROICベースで大きく事業ポートフォリオを改善して来たのが、ここ2、3年前までの話でした。
今後パナソニックが目指すのは、リチウムイオン電池の覇権と旧電工から来る住宅関連にIoTやデザイン経営を絡めたスマートホーム事業です。
一方で2年前に、テスラ3に独占契約で2170型円筒形リチウムイオン電池を供給するために、米国で大規模なギガファクトリーを建設、投資しましたが、必ずしも上手く行って言えるとは言えない状況です。
ただし、今、将来を見越して、リチウムイオン電池を供給出来ているのは、もともと三洋電機の電池部門からあったからであり、それを考えれば、パナソニックの事業ポートフォリオの組み替えは正しかったと言えます。
半導体部門を売却するのは心情的には惜しいところですが、冷静に考えて勝ち目のない戦いで赤字を掘るよりは、半導体の投下資本を回収して、違う成長事業に充てると言う判断なのでしょうね。パナソニックも半導体から撤退です。
日本の大手家電メーカーで半導体が残るのはイメージセンサーで強みの出せているソニー位でしょうか。
半導体は大量に作って大型の工場をどんどん進化させていく高額投資の自転車操業ビジネスです。
規模感や大量ロットが捌けないとビジネス上続かなくなってしまいます。
まだまだ、半導体専用企業など残ってはいますが、東南アジアなどとのコスト勝負や品質勝負が激化する中どうなるのか先が読めない状況です。Windbond系Nuvotonとは意外。規模が大きくなくてマイコン専業に近いから。パナソニックはイメージセンサーやGaNトランジスタを残したいだろうが、これらがなければ買い手がつかないということか。