[シドニー 27日 ロイター] - 豪銀大手ウェストパック銀行は27日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が来年2回の利下げを行い、2020年6月までに政策金利を0.25%に引き下げ、その後量的緩和(QE)を導入する可能性が高いと指摘した。

ウェストパックはこれまで金利が0.5%に引き下げられると予想していたが、見通しを修正した。豪中銀は今年6月以降、25ベーシスポイント(bp)の利下げを3回行い、現在の金利は過去最低の0.75%となっている。

ロウ総裁は26日、量的緩和(QE)が必要になるとは考えていないとした上で、政策金利が0.25%に低下すればQEを導入する可能性があると述べた。[nL4N2862R6]

ウェストパックのチーフエコノミスト、ビル・エバンス氏はリポートで「RBAはキャッシュレートを0.25%に押し下げる用意があると示唆している」と指摘。「ウェストパックは2020年に金融緩和が必要になるとの見解を常に示してきたが、RBAが0.5%を実質的な下限と受け止めると考えていた」とした。

豪ドルは午後の取引で1豪ドル=0.6770米ドルに軟化し、11月の安値をわずかに上回る水準。追加利下げの可能性を材料に豪ドルはきょうの取引では軟調に推移している。

エバンス氏は、RBAが2020年6月まで2回目の利下げは実施しないと予想。同年5月の政府の年度予算案を確認するほか、可能な限り長期の緩和にコミットするという市場の見方を利用するためだという。

2回目の利下げ予想からみてウェストパックのQE導入見通しは2020年後半に先送りされた。エバンス氏はロウ総裁がQE導入に高いハードルを設定したと述べた。

同氏は「失業率が5.6%前後から動かず、米連邦準備理事会(FRB)が緩和し、金利のさらなる柔軟性がない中、QEが魅力的な選択肢となることは確実だ」との考えを示した。