【ドンキ安田】これから日本は、さらに「ディスカウント化」する

2019/12/1
小売の帝王が帰ってきた──。
2019年2月、ドン・キホーテを展開するパン・パシフィックインターナショナルホールディングス(PPIH)の発表に、小売業界はざわついた。
3年半前に引退宣言をしていた創業者の安田隆夫氏が、取締役に復帰したからだ。
PPIHは安田氏が1980年に創業してから常に右肩上がりを続け、これまで30期連続で増収増益を達成した、絶好調企業。売上高でも国内小売でトップ10に食い込んでいる。
なぜ業績が好調の中、創業者がわざわざ戻ってくるのか。この約1年間、小売業界では、安田氏の頭の中を探るように、さまざまな臆測が飛び交った。
しかしどれだけ噂が広がっても、安田氏が引退後にメディアの前に姿を表すことはほとんどなく、復帰の真相が語られることはなかった。
果たしてなぜ、小売の帝王は戻ってきたのか。NewsPicks編集部は、安田氏へのインタビューを実現させ、シンプルな質問をぶつけた。
特集の後編では、Eコマース時代の小売の未来図や、海外展開。そしてドンキの強さの根幹であるプライシングについて、たっぷりと語ってもらった。
【独占告白】ドン・キホーテ創業者、「復帰の真相」を全て語る
安田隆夫(やすだ・たかお)/1949年生まれ。1978年に東京の西荻窪でディスカウントショップを開店。1980年に株式会社ジャスト(現PPIH)を設立。2015年に引退し取締役から退くも、2019年2月に非常勤取締役に復帰。シンガポール、パラオ、日本の3拠点で生活する

「アマゾンよ、ありがとう」

──PPIHは創業から右肩上がりで成長を続けていますが、それでもいずれはEC化の波は避けられません。
まず大前提として、私はアマゾンをはじめとするEコマースは、ドンキの応援団だと思っているんですよ。私たちが大きく成長できたのは、実はEコマースによるところも多い。