[プロビデンス 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は25日、金融政策は力強い労働市場を支援するのに適した状態にあるとの見解を示した。

パウエル議長は、ロードアイランド州プロビデンスの商工会議所での年次夕食会講演の原稿で、さまざまな教育水準の人や障害を持つ人を訓練して雇用するため、企業経営者と教育機関が協力しているという話を聞いたとし、「過去に仕事をし続けることが困難だった多くの人が現在働いており、人生における新たなより良い時期を過ごしているという話を聞いている」と説明した。

「長期にわたる景気拡大の恩恵が今ようやく多くのコミュニティーに及びつつある。これまでの素晴らしい達成の上にさらに積み上げる余地が大いにある」と述べた。

米労働省は9月、2019年3月までの1年間の雇用者数は1カ月当たり17万人増に引き下げた。

パウエル議長は「このニュースはわれわれの見通しを大幅に変更することはなかったが、経済の勢いはわれわれが考えていたほど強くなかったことを示している」と指摘した。

低インフレを示す指標を受けてFRB当局者は中立金利の水準を引き下げたほか、エコノミストは自然失業率が想定していたよりも低いことを認識したと述べた。

また、FRB当局者は米経済に関して明るい見通しを持っており、これは堅調な労働市場と所得の増加、力強い個人消費に支えられていると説明した。

ただ、世界経済の低迷や通商問題を巡る先行き不透明感が、成長の妨げになっていると指摘。経済指標の結果が景気見通しの「実質的な修正」につながれば「適切に対応する」とし、「政策にあらかじめ決められた道筋はない」との見方を改めて示した。

さらに「長期にわたる拡大局面で現在グラス(の水)は、半分以上あると考えている。適切な政策でさらにグラスを満たすことが可能で、これまで達成した成果にさらに上乗せし、その恩恵を全ての米国民に広げることができる」との見方を示した。

*内容を追加しました。