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【アステラス製薬】京大のiPSを使わない理由

NewsPicks編集部
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  • 東京工業大学 教授

    ES/iPS細胞の再生医療を名実共にリードするアステラス製薬、その事業戦略は秀逸の一言に尽きます。それゆえに、本記事のタイトルのメッセージは非常に重い。リスク回避がiPS細胞ストック不要論の根幹にあるのでしょう。
    秀逸さの第1点は、ヒトES細胞由来の臨床開発を先行させていること。米国を拠点とするAdvanced Cell Technology(現Ocata)社の買収で一気に参入しました。実績のある技術でレールを敷いた上にこそiPS細胞の選択肢が活きてきます。
    第2点は、事業シナジー。ヒトES細胞はどうしても免疫拒絶の問題が伴いますが、これは免疫抑制剤タクロリムスを戦略商品として擁する該社にとって得意中の得意領域。主力製品のライフサイクルマネジメント、社内説得に貢献した可能性。
    第3点は疾患戦略。高橋政代さんのビジョンケアの回でもあったように、分化加工技術が確立しており、細胞数が少なくて(=CoGが小さくて)すみ、移植後のモニタリングが容易な眼科領域は、再生医療の一丁目一番地、参入にもっとも適した領域のひとつ。
    第4点は新規治療手段(モダリティ)戦略。該社は2018年に眼科領域の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)技術による遺伝子治療をてがけるQuethera社を買収し、細胞・遺伝子治療の範囲と技術機会の確保に余念がありません。
    第5点は事業買収力。上記の2社に加え、Universal Cell社はiPS細胞の医療応用の鍵を握る企業だけに、他所に持っていかれたら一転リスクとなり得ます。資本参加を通じて競合他社を退けて手中に収めたディールは値千金と思います。
    最後は是々非々の産学公連携。iPS細胞ストック事業には消極的ですが創薬シーズや基盤技術の研究には積極的。京都大学とは振興調整費を活用した「AKプロジェクト」等の実績もあり成熟したパートナーシップを予感させます。

    末尾かつ最重要なことは、技術に精通し達観してこそみえる経営があります。このような技術・イノベーション経営の学習や研究に関心のある皆様、ぜひ東工大MOTでぞんぶんに学んでください!!(番宣


  • NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト

    AIRMの志鷹義嗣社長には、毎日新聞の取材班も同趣旨でインタビューしたことがあります。2017年に京都大学iPS研が実施したアンケートで、iPS細胞ストック(iPS研のバンク)の細胞の利用に企業が消極的なことが分かり、その理由を尋ねるためでした。志鷹氏の答えは当時から一貫していますが、このインタビューを読むと、AIRM社がストックの細胞を必要としない合理的な理由が、背景を含めてより詳細に理解できます。

    グラフィックを駆使した背景説明がいつもながらとてもわかりやすいです。
    ユニバーサル社買収の経緯や最後に触れているES細胞を使った目の治療の治験も興味深く読みました。

    どんな人にも免疫拒絶反応を起こさない「ユニバーサルドナー細胞」と似た細胞はiPS研でも開発中です。でもそれができてしまえば、これまでに製造し、備蓄しているHLAホモの細胞は不要になるかもしれません。ストック事業への公的投資の是非にも関わってくる重要な内容です。


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    再生医療・幹細胞生物学研究者

    記事中の新しい京大ユニバーサル化技術の論文は、私もリバイス実験に一部協力しました。4年以上前からこの技術を研究でフォローしている・使っている立場から言えば、業界人でさえ多くがユニバーサルセル技術のまさに理想の部分しか見えていないと感じます。この場所では文字数の関係で悔しいかな詳細な技術解説叶いませんが、集約して一言。

    免疫拒絶の制御は、そんなに簡単なものではありません。

    アステラスは再生医療に力を入れている存在感のある製薬企業に間違いありません。そのアステラスがiPS細胞バンクを使わなかったこと、それはアステラスの”ビジネスの戦略上の選択"であり、「企業が必要としていないとなれば、最初から国策のiPSバンクにニーズはなかったということになる。」のは理解に苦しみます。

    それでは、企業がビジネスに選ばなかった(選びにくい)疾患の開発はどうしますか?共益性は?
    ・ビジネス戦略上患者数が少ない疾患
    ・ビジネス上、科学面、技術面が研究段階で開発リスクが高すぎる疾患

    あまりにジャンプしたビジネス主眼の話が多いので驚きます。
    通常そういった疾患に飛び込むファーストペンギンは小規模の臨床研究や医師主導治験から始まり、慎重に検討していきます。うまくいきだしてやっと企業が興味を持つ、それが上記の疾患における主な順序です。

    私なら、低価格で"臨床試験に使用できる"(研究用ではない)iPS細胞を研究者が使える状況が絶対必用と感じます。いち早くその時点の実現可能なベストで。其の点では既に複数の世界初FIHの実現に貢献しています。また、ユニバーサル化のコンセプトは存在していても、技術的に見てその時点でリーズナブルかは常に議論です。

    記事にもありますがアステラスでさえ2020年代の前半以降FIH目指しているということです。資本主義に任せた企業の成り行きに任せ、どこかの企業がうまく行った株を売り出してくれるまで待つだけでよいのか?そしてそこから企業の興味のない、他の疾患の研究をしてたらどれだけ時間がかかるのか?

    上記の論文も数年前から並行してやっていたから、今年の3月に出てきているんです。
    テクノロジーには実用可能なラインがあり、その時代のベストプラクティス、ベストサイエンスを最大限選択するように(できるようにオプションも用意して)競争していくことが大切です。【個人の見解です】


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