[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が22日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.1%増で、速報値からの改定はなかった。堅調な輸出と財政支出に支えられ、景気後退(リセッション)が回避された。

輸出は1%増。GDP伸び率への寄与度は0.5%ポイントだった。

ドイツ経済は、貿易摩擦の影響による製造業の不振、自動車産業の低迷、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感などに圧迫されている。

経済界やエコノミストからは財政出動による景気刺激策を求める声が出ているが、政府は受け入れていない。

輸出が低迷する中、景気を支えているのは堅調な消費。

INGのカルステン・ブルゼスキ氏は投資家向けリポートで「個人消費の強さが引き続きリセッション回避に重要な役割を果たしている。個人消費は2014年初め以来、毎四半期拡大している」と指摘した。

政府は2年前の選挙以降、家族、学生、年金生活者への手当て増額を実施。減税やインフラ支出拡大にも乗り出している。

個人消費は0.4%増、政府支出は0.8%増で、GDP伸び率への寄与度は0.2%ポイント。

ただ、固定資産や設備への投資はマイナスとなり、企業がなお先行きを悲観していることをうかがわせた。

デカバンクのアンドレアス・シェウルレ氏は「在庫圧縮負担や設備投資の減少は、企業が世界的な不確実性や自動車業界が直面する問題に強く反応したことを示す」と述べた。

ドイツ自動車業界は、貿易摩擦や世界経済減速の影響に加え、電気自動車へのシフトや、より厳格な排ガス規制への対応にも迫られている。

この日発表された11月のドイツの購買担当者景気指数(PMI)速報値では、これまで製造業の不振を補ってきたサービス部門の景況感が悪化した。

VPバンク・グループのトマス・ギッツェル氏は「今後数四半期はリセッションか小幅な成長かというきわどい状況が続くだろう」と述べた。

*内容を追加しました。