[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場>  続落して取引を終えた。米中関係が不安視されたほか、英最大野党・労働党が増税やインフラ企業の国有化を盛り込んだマニフェスト(政権公約)を打ち出したことが相場の重しとなった。

今週は、トランプ米大統領が中国と通商合意に至らなければ中国製品の関税を引き上げると述べたほか、米議会が香港での反政府デモを支援する法案を可決し、中国の反感を買った。FTSE350種銀行株指数<.FTNMX8350>は0.97%、鉱業株指数<.FTNMX1770>は1.20%それぞれ低下した。

米中が合意に至らなくても米国が中国製品への関税引き上げを先送りする可能性があるとの報道を受け、ロンドン株は終盤にかけて下落幅を圧縮した。

英総選挙で労働党が勝利した場合、国有化される可能性がある電力・ガス供給のナショナル・グリッド<NG.L>と英銀行大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)<RBS.L>、エネルギー供給会社SSE<SSE.L>、水処理サービスのセバーン・トレント<SVT.L>、同ユナイテッド・ユーティリティーズ <UU.L>は0.6%から2.2%下落した。

こうした中、電力・ガス大手セントリカ<CNA.L>は9.1%上昇した。通期の利益目標を維持したほか、経費削減見通しを引き上げたことが好感された。 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)<BATS.L>も3.9%値上がりした。米規制当局がタバコに含むニコチンの量の上限を中毒性のない水準まで下げる計画を撤回したことが材料視された。

中型株では事業再編計画の進行が遅れていると述べた郵便事業会社のロイヤルメール<RMG.L>が14.2%急落した。ジェフリーズは、最大の労働組合と関係が緊迫していることを指摘し、生産性の目標を達成することが難しくなってきていると述べた。ロイヤルメールが重しとなり中型株で構成するFTSE250種指数<.FTMC>は0.51%低下した。

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。米中通商協議が不安視され、リスク許容姿勢が弱まった。配当を停止した鉄鋼のティッセンクルップ<TKAG.DE>も相場の重しとなった。

米中の「第1段階」の通商合意が来年にずれ込むとの不安や、米議会が香港の反政府デモを支援する法案を可決したことによる両国関係の緊迫化が相場の重しだった。通商政策に左右されやすいSTOXX欧州600種資源株指数<.SXPP>は1.32%低下し、値下がりが目立った。テクノロジー株指数<.SX8P>は0.42%低下した。

ティッセンクルップは13.6%下落し、19年ぶりの大幅な値下がりとなった。配当を停止したほか、損失がさらに拡大すると警告し、事業を再建する中で辛抱強く待つように投資家へ呼びかけた。

英郵便事業会社のロイヤルメール<RMG.L>は14.2%急落した。労働組合との問題や英経済の鈍化に直面する中、事業再編計画の進行が遅れていると発言したことが不安視された。

一方、電力・ガス大手セントリカ<CNA.L>は9.1%上昇した。通期の利益目標を維持したほか、経費削減見通しを引き上げたことが好感された。

<ユーロ圏債券> ドイツ国債利回りが4営業日ぶりに上昇した。米中通商合意を巡る懸念が利回り上昇を抑制する中、利益確定売りが優勢となった。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は21日、中国政府が米政府に新たな対面通商協議を提案したと報道。米中通商合意に向けた期待感の低下が世界的にリスク資産の逆風となっているが、安全資産である債券の利回りは全体的に上昇した。[nL3N2812YN]

インテーザ・サンパオロの債券ストラテジスト、セルジオ・カパルディ氏は「通商合意に対する見通しが大幅に後退したことを考慮すると、率直に言って債券利回りの上昇は不可解だ」と述べた。

前日には米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性があると、ホワイトハウスに近い関係者などが明らかにした。中国が関税撤廃拡大を求めており、米国もそれに対応して要求を強めているという。[nL3N280458]

米債利回りがオーバーナイトでやや上昇したことを背景に、ユーロ圏全体の債券利回りも上昇。ドイツ10年債利回りは約2ベーシスポイント(bp)上昇しマイナス0.3340%と、前日付けた3週間ぶりの低水準であるマイナス0.3840%から切り返した。

ユーロ圏の新たな指標金利であるESTR(ユーロ短期金利)<EUROSTR=>の1日当たりの上昇が20日に10月初旬の公表以降で最大になったことも市場心理の重しとなった。

この日発表された11月のユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)は、前月から0.4ポイント上昇してマイナス7.2となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想はマイナス7.3だった。[nL3N2813RV]

また欧州中央銀行(ECB)が10月の理事会の議事要旨を公表したが、市場への影響は限定的だった。[nL3N2813MK]

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1065 1.1071 <EUR=>

ドル/円 108.51 108.56 <JPY=>

ユーロ/円 120.09 120.21 <EURJPY=>

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 402.22 -1.60 -0.40 403.82 <.STOXX>

FTSEユーロファースト300種 1575.11 -5.75 -0.36 1580.86 <.FTEU3>

ユーロSTOXX50種 3679.66 -4.22 -0.11 3683.88 <.STOXX50E>

FTSE100種 7238.55 -23.94 -0.33 7262.49 <.FTSE>

クセトラDAX 13137.70 -20.44 -0.16 13158.14 <.GDAXI>

CAC40種 5881.21 -12.82 -0.22 5894.03 <.FCHI>

<金現物> 午後 コード

値決め 1467.05 <GOLD/EU1

>

<金利・債券>

米東部時間13時46分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 100.40 -0.01 100.41 <FEIc1>

独連邦債2年物 111.99 -0.04 112.03 <FGBSc1>

独連邦債5年物 134.22 -0.15 134.37 <FGBMc1>

独連邦債10年物 170.75 -0.34 171.09 <FGBLc1>

独連邦債30年物 206.56 -1.00 207.56 <FGBXc1>

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 -0.615 +0.019 -0.644 <DE2YT=RR>

独連邦債5年物 -0.569 +0.027 -0.587 <DE5YT=RR>

独連邦債10年物 -0.320 +0.029 -0.354 <DE10YT=RR>

独連邦債30年物 0.169 +0.029 0.137 <DE30YT=RR>