[モスクワ 20日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は20日、原油市場の安定と予見可能性を維持する目標をロシアは石油輸出国機構(OPEC)と共有していると述べ、引き続き協調減産に協力する姿勢を示した。

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成するOPECプラスは12月5日にウィーンで会合を開き、協調減産などについて協議する。

プーチン大統領は「市場を均衡化させ、産油国も消費国も市場動静を予見できるようにする目標をロシアはOPECと共有している」と述べた。

ロシアの10月の産油量<C-RU-OUT>は日量1123万バレルと、9月の日量1125万バレルから減少。ただOPECプラスの協調減産合意に基づくロシアの産油量(日量1117万─1118万バレル)は超えている。

プーチン大統領は、ロシアの産油量が減産合意にもかかわらずやや増加していることは認めながらも、産油量が世界1位の米国を抜くことをロシアは目標としていないと表明。「ロシアは世界のエネルギー市場に大きな影響を及ぼす立場にあるが、他の主要産油国と協調する時にロシアは最も大きな影響を及ぼせる」とし「ロシアはそれほど遠くない過去に世界第1位の産油国だったことがあるが、この地位の回復は目標としていない」と述べた。

ノバク・エネルギー相によると、ロシアは今年の産油量を原油換算で5億5600万─5億6000万トン(日量1117万─1125万バレル)とする計画。同相は記者団に対し、ロシアはコミットメントを堅持すると述べた。

ロシアは産油量の統計に天然ガス生産の副産物であるコンデンセート(超軽質原油)も含めているが、他の産油国ではこれを含めていない場合もある。

ロシアは液化天然ガス(LNG)の生産量を増加させているため、超軽質原油の生産量も増加し、超軽質原油は現在、産油量全体の約6%を占めている。ノバク氏は、厳寒期の冬季に新たなガス田を開発するため、超軽質原油の生産量も増えると指摘。「超軽質原油は天然ガスの生産、および供給に関連するものであるため、(全般的な産油量統計で)考慮されるべきではないと考えている」と述べた。