【直言】Facebookのリブラは「仮想通貨の破壊力」を証明した

2019/11/22
仮想通貨(暗号資産)市場においてビットコイン、イーサリアムに続く3位の時価総額を誇る「XRP」──。
XRPの開発を主導するのは、2012年に米サンフランシスコで創業したリップル社だ。アクセンチュアやGV(旧グーグル・ベンチャーズ)、英スタンダードチャータード銀行、スペイン・サンタンデール銀行系の投資部門など、そうそうたる顔ぶれの企業が出資している。
リップルの事業は、仮想通貨の開発だけではない。「RippleNet(リップルネット)」と呼ばれる、ブロックチェーン技術を使った新たな国際送金のネットワークも開発・提供している。
現在の一般的な国際送金は、1万以上の金融機関が加盟する国際銀行間通信協会(SWIFT=スイフト)のネットワークが使われている。
しかし、この国際送金ネットワークが作られたのは、1973年にまでさかのぼる。
リップルは、45年前から使われているSWIFTではなく、ブロックチェーン技術を基に、SWIFTより速くて手数料も低い新しい国際送金ネットワークにしようとしている。
RippleNetは現在、300を超える金融機関が使い、日本では、2016年5月にSBIホールディングスと合弁会社の「SBIリップルアジア」を作り、30以上の国内銀行が導入を検討している。
リップルは今後、国際金融の世界をどう変えていくだろうか。
NewsPicks編集部は、来日したリップルのデービッド・シュワルツCTO(最高技術責任者)に独占インタビューを実施。仮想通貨の価格の在り方から、Facebookが推し進める仮想通貨プロジェクト「Libra(リブラ)」や仮想通貨の未来にまで話は及んだ。
David Schwartz(デービッド・シュワルツ)リップルCTO(最高技術責任者)
米ヒューストン大学を卒業。複数のIT・ネットワーク企業を経て、米WebMaster Incorporatedに13年在籍し、CTOを務める。2011年12月、リップルにジョインし、2018年より現職。ツイッター(@JoelKatz)のフォロワー数は14万人(撮影:竹井俊晴)

「打倒SWIFT」を掲げて創業

──リップル社は、仮想通貨の「XRP」の開発を主導するだけでなく、ブロックチェーンを使った新たな国際送金ネットワーク「RippleNet」を開発・提供しています。SWIFTに代表される既存の国際送金ネットワークと何が違うのでしょうか。
シュワルツ リップルは2012年の創業当時、「打倒SWIFT」を掲げて戦略を考えました。当時は非常に小さなスタートアップ企業で、巨人であるSWIFTに立ち向かうというのは、とてもクレイジーなことだと思われていました。