【解説】広告だけではない。プロが語る「ブランド戦略」の基礎

2019/11/21
世にモノやサービスがあふれ、「口コミ」や「共感」に基づいて商品が選択されると言われる昨今。自らの思想を社会に示し、競合との差別化を図る「ブランド戦略」の重要性は、日に日に高まっている。
しかし一口に「ブランド戦略」と言っても、メッセージの策定から顧客体験の設計、そして広告出稿まで、実施すべきことは多岐にわたる。この言葉に、捉えどころのなさを感じる人も多いだろう。
そこでNewsPicksでは、ブランドコンサルティングの第一人者であるインサイトフォース代表・山口義宏氏のMOOC「明日から使える ブランド戦略バイブル」を配信。
アップル、スターバックス、コカ・コーラなど、確固たる名声を築いている企業の例を引きながら、ブランディングの方法論をゼロから解説する。
今回、山口氏に、動画では語り切れなかったブランディングの思想、そして注目事例についてインタビューを実施した。

「識別記号」と「知覚価値」

山口 「ブランディング」の定義は人や企業によってさまざまですが、「ブランド」の概念を理解してこそのブランディングなので、まず「ブランドとは何か」からお話しします。
私自身、仕事を始めて何年も「ブランドとは何だろう」といろんな本を読んだり考えたりしてきました。その結果として、自分の中で「これだ」と定義付けたものが2つあります。
山口 義宏(やまぐち・よしひろ)/インサイトフォース代表
メーカーで戦略コンサルティング事業の事業部長、コンサルティング会社でブランドコンサルティングのデリバリー統括などを経て、2010年に企業のブランド・マーケティング領域に特化した戦略コンサルティングファーム・インサイトフォースを設立。これまで100社を超える戦略コンサルティングに従事。著書に『ブランディング 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』など。