【本田圭佑#3】「悔いが残らない生き方」を選ぶ方法

2019/11/21
『HOPE by NewsPicks』創刊号の巻頭インタビューをディレクターズカットでお届けする本連載。多彩なチャレンジを続ける本田圭佑氏の生き方の根源にある“HOPE”を探る。
──先日、監督を務めるカンボジア代表がW杯2次予選でイラン代表と激突し、記録的大敗を喫しましたが、試合後の会見で「これが成長への近道」と発言されたことが話題になりました。
本田 あのコメントに込めた真意は、ここ10年で成功したスタートアップの手法に近いんですよ。
 サッカーであれば目先の失敗や失点を減らすために、誤魔化すような戦い方をすることは難しくない。でも、大きな成長を目指すなら、自分たちの“現在地”をチーム全員でしっかり認識する方が近道だということです。
 目先の数字を追うのか、将来的にどでかいことを狙うのかと言ったら、将来的な成長軸の方が僕にとっては重要
 ただし、成長軸を追いすぎると、目先は鬼のような赤字になる。そういう考え方ですね。
──経営者、投資家としてビジネスにも深く関わられていますが、本田さんは「ビジネス」をどのようなものとして捉えていますか。
 これは賛否両論あると思いますが、あえて言うならば、僕にとっては「マネーゲーム」です。
 貧しい子どもたちの環境を変えたくてエンジェル投資を始めて、続けていくうちに「これ(ビジネス)はひとつの勝負なんだな」と思うようになって。
 世界の主流が資本主義である以上、ビジネスに関わらないで生きている人はいない。“地球上のすべての人が関わるワールドカップ”のようなイメージで捉えています。
──いま本田さんが目指している一番大きな目標とは?
 僕が経営しているグループの究極のミッションは、「世界中の人が夢を追い続けられる環境」を整備することです。
 貧困層の子どもに限らず、世界には何らかの理由で「自分のやりたいことができない」という環境にある人が大勢います。
 それに対して、生活に追われることがなく夢を追えたり、やりたいことが仕事につながっている、という人を少しでも増やしたい。
 僕自身、「夢を追える環境が死ぬまで続く」ということが、人にとって究極の幸せじゃないかなと考えていて。
 要は、もっとも「悔いが残らない可能性の高い生き方」が、やりたいこと、すなわち夢を追い続けることだと思うんです。それを支援したい。
──ただ、教育事業やサッカースクールは、純粋に「稼ぐ」ことが目的ならば選ばないのでは?
 そうですね。現状、僕の関わっているビジネスや投資は、「お金を稼ぐためのもの」と「人のためにやるもの」との二極化が進んでいます。マネーゲームで稼いだお金は、人のためのビジネスに投入できるし、社会的な影響力を持つことにもなります。全部つながっているんです。 
──最後に。本田さんは理想の人物像をどう超えるかを常に自分に問い続けていますが、いまの若者が「本田圭佑を超える」には、どうすればいいでしょうか。
 …………………。
 本気で答えると、めっちゃ簡単なことで「超える必要がない」
 僕自身は競争が好きなタイプだから、”あの人を超えよう”と思って毎日自分を奮い立たせています。だから、超えたければ超えてもいい。
 ただ、そういう生き方は疲弊もします。皆がそうする必要があるとは思わないです。
 僕を目指す必要はないし、ほかの誰とも比較する必要もない。自分自身にとっての理想を問い続けて、悔いを残さない生き方をしてください。
(了)
11月19日に創刊した『HOPE by NewsPicks』は、学生が自らの意志で行動するきっかけを創るメディアです。下記リンクをご参照ください。
(取材・編集:呉 琢磨 構成:吉田勉 撮影:Atsuko Tanaka デザイン:月森恭助)
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