[ワシントン 19日 ロイター] - 米国家運輸安全委員会(NTSB)は19日、配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が昨年起こした死亡事故について、同社の安全に対する配慮が不十分だったと批判するとともに、車に乗っていたバックアップドライバーの前方不注意が事故につながったとの見方を示した。

またNTSBは、自動運転システムに関する連邦レベルの安全基準がない点を挙げて、ドライバーを守るために州や連邦当局がもっと動く必要があると訴えた。

昨年3月、アリゾナ州でウーバーの自動運転車が公道における走行試験中に、自転車を押して道路を横断していた女性をはねる事故が発生。NTSBのサムウォルト委員長は「この衝突事故は、残念ながら安全を最優先にしてこなかった組織(ウーバー)が行った一連の決定の最後に起きたことだった」と述べ、あらためてウーバーの当時の「安全文化の欠如」が悲劇を招いたと強調した。

さらにNTSBは、バックアップドライバーが走行環境をきちんと監視せず、携帯電話を見ていたことが恐らく事故をもたらしたとの意見を3対0で支持した。

ウーバーの自動運転車安全責任者は、この問題に関して同社は既に大幅な改善を成し遂げており、今後も自動運転プログラムの安全向上に努めていくとコメントした。