[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮は18日、トランプ米大統領が成果を誇示するだけの意味のない協議にもはや関心はないとし、米国が対話を望むのなら北朝鮮敵視政策を撤回すべきと主張した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が金桂冠・外務省顧問の声明として報じた。

それによると「米国がわれわれとの対話を本当に放棄したくないのであれば、敵視政策の撤回を決定すべきだ」とした。

トランプ大統領は17日にツイッターで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対し、「迅速に行動しディール(取引)を成立させるべき」だと呼び掛けた。また「すぐに会おう」と書き込み、新たな会談の可能性を示唆した。

金桂冠氏は、トランプ氏のツイッターを読んだとした上で、昨年6月から3回にわたる首脳会談にもかかわらず、進展はほとんどないと指摘。「われわれに得るものがない協議には、もはや関心がない」とし「われわれに見返りがないため、われわれは米大統領が自慢できるような贈り物をするつもりはない」とした。

北朝鮮側の反応について、ある米国防総省の高官は、北朝鮮との対話の門戸は開いているとした上で「北朝鮮の態度は(事態の改善に)役立っていない。北朝鮮には歴史的なチャンスが到来していることを理解してもらいたい」と述べた。またエスパー国防長官が18日、バンコクで中国の魏鳳和国防相と会談し、北朝鮮が「問題解決に臨む姿勢」で交渉のテーブルに着くよう中国側に働き掛けを要請したと明らかにした。

10月の米朝実務者級会合は成果なく終わった。北朝鮮側は米国が手ぶらで交渉のテーブルにやってきたと批判していた。

北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は18日、ロシアに向かった。アナリストは、米国との交渉戦術について話し合うための訪問とみている。

北朝鮮は今月、米国からの新たな協議提案を、「北朝鮮の懐柔」を目的とする協議に応じる意思はないと拒否した。

韓国統一研究院のシニアフェロー、Cho Han-bum氏は「非核化協議について年末という期限を設定した金正恩氏にしてみれば、期限を守ることが最も重要」だと述べた。

*内容を追加しました。