【アイリス社長】脱・量販店とジャパン品質で目指す「1兆円」

2019/11/19
「グループ売り上げ1兆円」の大台へ──。
仙台に本社を置く国内家電大手アイリスオーヤマは、1971年に創業し、生活用品から事業を拡大し、2012年には生活家電に参入。
当時は平易なスペックの家電が中心で、「ジェネリック家電」と呼ばれることもあったが、近年は、三洋電機やパナソニック、シャープなど、苦境に陥った大手メーカーの元技術者を積極的に採用し、次々と新機軸の家電を生み出してきた。
そして、11月13日には、テレビ事業への本格参入を発表。新型4Kテレビを引っ提げ「総合家電メーカー」としてさらなる一歩を踏み出した。
2018年度のグループ売上高は4750億円で、家電事業の売上高はわずか7年で810億円まで成長。アイリスオーヤマ単体の売上高の過半を占めるまでの存在感を示すまでになっている。
一方で、2018年に発表した中期経営計画では「2022年グループ売上高1兆円」を掲げている。 この10年間で2倍以上に伸ばした売上高を、あと4年でさらに倍増させる必要がある。
この高すぎるハードルに、いかにして挑んでいくのか。
国内家電メーカーが軒並み苦戦をしいられる中、そのキーとなる戦略は、積極的な海外展開の他に、これまで家電メーカーが依存してきた家電量販店からの脱却ともいうべき、EC経由での流通改革にあるという。
NewsPicks編集部はアイリスオーヤマの大山晃弘社長を直撃。昨年の社長就任時、自ら課したこの大きな目標までの現在地と未来の戦略について、語ってもらった。
大山晃弘(おおやま・あきひろ)1978年生まれ。宮城県仙台市出身。2003年3月にアイリスオーヤマ入社後、IRIS USA INCチェアマンなどを歴任。2018年7月、創業者であり父の大山健太郎氏(現アイリスグループ会長)から譲り受け、アイリスオーヤマ代表取締役社長に就任

「東京の人材」獲得でシナジー

──2019年、アイリスは「総合家電メーカー」を掲げて、1年が経とうとしています。ここまでの手応えはありますか。
大山 まず、6月にドラム式洗濯機を発売し、これが想像を超えるヒットとなっています。