[ロンドン 15日 ロイター] - 米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの国内上場について、政府の純資産拡大や長期的な経済成長に寄与する可能性があるとの見方を示した。

アラムコは17日に新規株式公開(IPO)を開始する。200億─400億ドルを調達する可能性がある。

S&Pは「調達した資金の大半は、政府や政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)に入る。国家財政の純資産は国内総生産(GDP)の72.7%とすでに巨額だが、これがさらに増える可能性がある」と指摘。

「こうした資産を生産的に活用すれば、当社の格付けの対象期間である3年間の潜在成長率の維持に寄与する可能性もある」と述べた。

S&Pグローバルのサウジの格付けは現在「A-/A-2」で見通しは「安定的」。同社によると、高い地政学リスクや大幅な財政赤字に加え、国家制度の枠組みや政府資産の報告体制の透明性が限られていることが、格付けを圧迫する要因になっている。