[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増となり、景気後退(リセッション)を回避した。市場予想の0.1%減を上回った。

第3・四半期のGDPは前年同期比(季節調整後)では0.5%増。第2・四半期は0.3%増だった。

第3・四半期は、家計消費が前期比で増加。政府支出も拡大した。建設業も経済成長を支えた。

アルトマイヤー経済相は「景気後退には陥っていないが、経済成長率はまだ低すぎる」と指摘。ただ、米国との通商問題や英国の欧州連合(EU)離脱などに関連する「暗雲」はやや解消したとの見方を示した。

ショルツ財務相は、来年の独経済は勢いを取り戻すとの見方を表明。経済は減速しているが、危機に陥っているわけではないとし、「慎重ながらも楽観的な見方を持っている。来年の成長率は上向く」と述べた。

輸出は小幅に増加したが、輸入は前四半期とほぼ同水準。純輸出は経済成長に寄与したとみられる。

統計庁は第2・四半期のGDPを当初発表の前期比0.1%減から0.2%減に下方修正した。

しかし第1・四半期のGDPはこれまでの0.4%増から0.5%増に上方修正した。

ロイターのアナリスト調査によると、第3・四半期のGDPは前期比0.1%減、前年同期比(季節調整後)0.5%増と予想されていた。

デカバンクのアナリスト、アンドレアス・ショイエレ氏は第3・四半期GDP統計を受け、景気後退は回避できたかもしれないが、危機的状況が去ったと判断するには時期尚早だと指摘。「ドイツ経済は非常に大きな世界的な政治不安に直面している。主力産業である自動車セクターは順調には進んでいない」と述べた。

バンクハウス・ランペのエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は、貿易を巡る見通しが依然不透明であるため、今後数四半期はわずかな成長にとどまると予想した。「中国の景気減速、世界的な貿易摩擦、英国のEU離脱を巡る混乱は、すべて経済の勢いの弱まりを示している」と指摘した。

ドイツ経済省は14日、第3・四半期の国内経済は依然として低迷しており、回復の兆しは見られないと表明。ドイツ企業は今後数四半期、輸出の回復を予想していないと指摘した。

同省は月報で「指標は景気回復を示唆していない。ただ、業況感の指標には一筋の希望が見られる」と指摘した。

*内容を追加しました。

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