[14日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空<0293.HK>は14日、エアバス<AIR.PA>社製の単通路機4機の受け取り時期を2020年から先送りすると発表した。長引く抗議デモの影響で航空機の利用が減少しているため、輸送能力を削減する。

傘下のキャセイドラゴン航空に納入予定の「A321neo」3機と格安航空(LCC)の香港エクスプレスの「A320neo」1機の受領時期を延期する。また、キャセイ航空でボーイング<BA.N>社製の「777─300ER」1機、キャセイドラゴンで「A320」1機をそれぞれ前倒しで退役させる。

キャセイは13日、デモの影響で短期的な見通しは依然「厳しく、不透明感が高い」とし、1カ月弱で2回目となる利益見通しの引き下げを発表した。[nL4N27T2MN]

キャセイは運行便数を減らすなどして短期的に輸送能力を6─7%削減する計画だ。

14日のアナリスト向けブリーフィングに出席したBOCOMインターナショナルのアナリスト、ルヤ・ヨウ氏によると、キャセイの経営陣は「香港の情勢が悪化ないし想定を超える事態に発展した場合は、旅客機の運行停止やリース契約の解消、発注キャンセルなど、より踏み込んだ措置に出る可能性も排除しなかった」というが「現段階で、短期的なコスト対策は十分とかなり自信があるようだ」という。

キャセイの広報担当は、今回のブリーフィングについて、経営陣は短期的な輸送能力の削減措置を説明したが、さらに抜本的な対策を講じる可能性は示さなかったと述べた。

エアバスの広報は、納入予定は、顧客との合意により変更することが時々ある、と述べるにとどめた。

*内容を追加しました。