[東京 14日 ロイター] -

東京株式市場で日経平均は続落。ドル/円の円高基調、中国経済指標の予想下振れ、連日の香港ハンセン指数の下落などが投資家心理を圧迫した。前場はプラス圏に浮上する場面はあったものの、後場には下落し、下げ幅は一時250円を超えた。

前日の米国株市場では、ダウ工業株30種<.DJI>とS&P総合500種<.SPX>が最高値を更新した一方で、ナスダック総合<.IXIC>が下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米経済の「持続的な拡大」を予想しているとの見解を示したことは好材料だったが、米中協議が農産物購入を巡り「暗礁に乗り上げた」と米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことが嫌気された。

朝方に発表された日本の7─9月期実質国内総生産(GDP)は市場予想を下回った。中国の10月鉱工業生産や小売売上高なども予想を下回った。また、香港情勢の悪化に伴い、香港ハンセン指数は連日のマイナス圏。円高以外にもさえない経済指標やアジア株がネガティブ材料となり、日経平均は利益確定の売りが強まった。

市場では「午後1時頃に利益確定売りがピークに達して日経平均は急落した。株式市場は不透明感を嫌う。香港情勢は悪化する一方で、もしここから中国が本格的に介入するとなると、米中通商協議にも影響を与えかねない。しばらくは売られるのではないか」(銀行系証券)との声が出ていた。

TOPIXも続落。東証33業種では、情報・通信業、水産・農林業以外の31業種が売られた。パルプ・紙、繊維業、ゴム製品などが値下がり率上位となった。

個別銘柄では、Zホールディングス(HD)<4689.T>とLINE<3938.T>が買われた。経営統合に向けて調整に入ったことが材料視された。Zホールディングスを傘下に持つソフトバンクグループ<9984.T>もしっかり。「ソフトバンクグループは経営統合の中の中核企業。ネガティブな材料が続いた後のグループを強化する好材料が出現したことで、見直し機運が高まりそう。もともと人気株だけに、市場全体にも好影響を与えそうだ」(国内証券)との指摘があった。

東証1部の騰落数は、値上がり371銘柄に対し、値下がりが1726銘柄、変わらずが57銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      23141.55 -178.32

寄り付き    23325.50

安値/高値   23062.16─23360.06

TOPIX<.TOPX>

終値       1684.40 -15.93

寄り付き     1697.84

安値/高値    1680.04─1699.92

東証出来高(万株) 140040

東証売買代金(億円) 22436.75