[東京 14日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日55円91銭安の2万3263円96銭となり、続落した。前日の米国市場はしっかりとなったものの、外為市場でドル/円が108円台後半で推移するなど円高に振れ気味となったことが、上値を抑える格好となっている。

米中協議に対する懸念もあり、日経平均は一時プラスになる場面がありながらも、前場中盤から小幅安の水準でもみあった。  13日の米国株式市場は、ダウ工業株30種<.DJI>とS&P総合500種<.SPX>が最高値を更新しながらも、ナスダック総合<.IXIC>は下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米経済の「持続的な拡大」を予想しているとの見解を示した一方、米中協議が農産物購入を巡り「暗礁に乗り上げた」と米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じて好悪材料が交錯。米中協議の行方に対する不安は拭い切れていない。

朝方に発表された日本の7─9月期実質GDP(国内総生産)は年率プラス0.2%と市場予想のプラス0.8%を下回ったが、株価は反応薄。そうした中、為替が円高に振れたことで、見送りムードが強まり、前日に軟化した地合いを引き継ぐ格好となっている。中国の経済指標が予想より下振れしたこともマイナス材料になった。

一方、ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)<4689.T>とSNSサービスのLINEが、経営統合に向けて調整に入ったことが注目され、ZHDとLINE<3938.T>が買われた。市場では「グループの中核企業であるソフトバンクグループ<9984.T>は、人気株だけにマーケット全体に与えるインパクトが大きそうだ」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)との指摘もある。

TOPIXは0.49%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0303億9500万円だった。東証33業種は、パルプ・紙をはじめ29業種が値下がりした。個別では、ソフトバンクGのほか、指数寄与度が大きいファーストリテイリング<9983.T>が買われたが、トヨタ自動車<7203.T>など主力輸出株にさえない銘柄が目立つ。 東証1部の騰落数は、値上がりが628銘柄に対し、値下がりが1418銘柄、変わらずが104銘柄だった。