【3分解説】JDIの再建は、すべて「アップル」にかかっている
コメント
注目のコメント
コメント欄にあるNakamuraさんの指摘はごもっともだろう。
白山工場投資の際、建設開始当初、Appleがゼネコンに基礎の柱の納入先にまで連絡して納期短縮させて白山立ち上げを急がせていたという話もあるが、逆に工場が完成するちょっと前には「やっぱり白山は要らないから工場建設を止めろ」という話をした、という話も有名な話だろう。
つまり、iPhone 6がバカ売れしてた頃に決めたLTPS TFT投資計画ではおそらくはAppleはその時のピークキャパシティを基準に能力を整えたとみられ、それは瞬間的にはピークキャパでモジュールベースで20M-30M台/月を狙えるほどの能力を整えようとしていたが、それとは別にデザインサイドでは急遽、新規のLCDパネルの開発計画が頓挫し、トップダウンで慌てて有機ELを買わなくてはいけなくなった決断をしたのは2015年の秋と言われている。(この時はまだ白山は絶賛建設中)
iPhone Xでの有機ELの急な採用は2014, 15, 16, 17と4年連続で同じディスプレイフォームファクターを使い続ける可能性が高まったことによる急場しのぎだった可能性が高いと言われている。
参考URL
https://www.sangyo-times.jp/article.aspx?ID=1713
この急場凌ぎの対応が決まった後にJDIはいち早くそのことを知っていたはずだが、アップルに対して出した提案は有機ELではなく、フルアクティブLCDだった。
これは間一髪のところでXRに採用されて2018-19年のJDIを首の皮一枚で繋いできたわけだが、(これは2016年春ごろのJDIの必死のアピールが身を結んだ成果と言える)この記事でもやんわりと指摘されているようにこのビジネスが2020年にどれだけ生き残るのか?という点が最も大きなポイントだろう。
資金の出し手はここまでの報道でJDIがAppleに対して大きな借金を背負っておりAppleはいつでもこれを取り立てJDIの生殺与奪権を事実上持っているとも言われている。今のJDIに投資するのは全部のお金がAppleに流れる可能性を受け入れるのと同じでありApple向け以外の明確な戦略が無いJDIに対してそこまで投資できる会社があるのか?というのは気になるところだろう。昨日、JDIの記者会見に出席してきましたが、菊岡社長の明るい雰囲気が意外でした。10月は単月黒字化をし、新しいスポンサーと協議しているとのことなので、少しだけ光が見えているのかもしれません。それでも、全てはアップルの動向次第なことには変わりませんが。
今更だけど、2016年の白山工場建設の際、資金の大半を負担したとされるAppleに、長期的な視点はあったのかな。
Appleなので無計画な訳無いですが、白山工場完成の翌年から上位機種に有機ELディスプレイを採用して、2018年は3機種のうち2機種が有機ELになっている。販売比率は液晶モデルが大きいけど、結果だけ見ると、Appleの投資額はJDIが返済可能な金額、規模だったのか気になります。
Appleの都合による、短期的なものだったと思えば納得出来る。
【追記】
T.Riki さんのコメントにある白山工場の建設ストップに関して、JDIの視点で書かれた記事もあるようです。全文読める。
『JDI・東入来CEO、再建へ大ナタ: 日本経済新聞 -』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO19832870Z00C17A8X11000/